あおもり草子 あおもり古書店歩き

隔月刊あおもり草子の特集「あおもり 古書店歩き」が面白いのです。

菊池正浩さんのエッセイ「古本の神様」に、

「知る人ぞ知る、優秀な古本ハンターであった黒岩比佐子さん」のことが書かれてあり、

黒岩さんのことを田口ランディさんのブログで読んで、いつも

気になっていた私は、黒岩さんの「パンとペン」をちゃんと読まなきゃなあと思った。

パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い

7歳から弘前で育った私は、小学校の頃よく姉と一緒に古書店(古本やさん)に

出かけていました。

土曜日は学校が早く終わったら古書店へ行って、日がな1日漫画本を読んで帰ってくるのです。

姉はお小遣いをせっせと貯めて古本の漫画をまとめて買い、

自宅の本棚に漫画図書館ができあがるほど壁面を漫画で埋めていきました。

古本やさんは弘前の至る所にあり、

新しい古本やさんを見つけると姉と私は自転車で急行し、

古本(漫画)の品揃えを見て、シリーズの漫画をどこで買うべきかと

そうとうに、頭を悩ませていました。

 

おかげで、小学校当時私と姉の部屋には、1000冊以上の漫画が本棚に整列していました。

一冊100円から180円だとしても、よく小学生がそこまで漫画を集めたものです。

ドラえもんも忍者ハットリ君も、なかよしの連載もりぼんの連載も

キャンディ・キャンディの古い漫画も

紀伊國屋書店と古本屋さんを巡って、あちこちで立ち読みをしていました。

古本やさんの中で何度も涙を流して、本気で立ち読みをしていたのです。

 

今、私が通っていた頃の古本やさんはずいぶんと少なくなったように

思います。

駅前の小山古書店さんは文化遺産のような佇まいをもって今もまだご健在ですが、

小さな古本やさんはずいぶんとつぶれてしまいました。

 

小学校の頃、私は半袖短パン姿で、

自転車で30分も40分もかかる道のりを、

姉と一緒に猛スピードで駆け抜け、

いつも古本やさんで立ち読みをしていました。

自分の自転車なんてなかったから、

お母さんのお下がりの、子どもを乗せる荷台付きの自転車を古本やの脇に停めて。

 

大人の漫画もあってドキドキしたり、見たこともない漫画を見つけたり、

子どもが街に出てきて、怒られないかといつもハラハラしていたけど

その頃のことは、必要以上に記憶していて。

古本やさんの「タッチ」が全巻置いてある棚の場所とかが、変に体の中に残っているのです。

 

今になって、古本やさんが私のことを

育ててくれたんだなあと、思うことがあります。

いつまでもなくならない記憶の中に、小さな古本やさんだらけだった私の弘前は、

静かに眠っているのです。