実をいうと24日の日曜日は、
八戸市の鮫公民館に、避難所に1ヵ月も滞在されている
方々がいると知って、クッキーと雑誌とコーヒーと緑茶を
持って行こうとしていたんですが。
公民館に直接問い合わせて、「24日の日曜日に行きたいんですけど…」と
言ったのが一週間前のこと。
その時、とても感じのいい職員の方が電話に出てくれて、
「どうぞ、どうぞ、みんな喜びます!」
と言われて喜んで小麦粉を1キロふるって、雑誌とか各年代に合わせて
買いまくって、あと緑茶とコーヒーと紅茶と……と
準備していたところに、
マペ次郎さんが発熱。
一時39度台に熱が上がって、「これはもう、日曜日は無理だからせめて
支援物資を送ろう」と、電話をかけたのが土曜日。
「明日の日曜日にお伺いする予定だったのですが、子どもが熱を出しまして
行かれなくなってしまったのでせめて、支援物資だけでも送らせて頂いて
よろしいでしょうか?」
と電話越しで言うと、
「あ、急なんですが、明日の日曜日でここの避難所も解体の方向に
なりまして、ほとんど人がいなくなります!」
「ええええええ~!? ……あ、それじゃ、行き先が皆さん、決まられたんですね!
それは…よかった~」
ということで。
ひょっとするとマペ次郎さんが熱を出さなかったら、
私たち家族は支援物資を持って、
誰もいないところに駆けつけていたのかもしれません……。(笑)
なんだろう、この。
不思議な現象。
4月中に八戸市では、多くの避難所を解体、受けいれ先を決める
努力をされていて。
本当に、震災の後、家屋の泥出しやゴミの撤去、避難所への
スープの差し入れに励まれた、たくさんのボランティアさんがいて
避難していたみんなが少しずつ、新しい居場所を見つけていって。
よかったなあと思うのです。
私、けっきょく何もできませんでしたけど。
多分人は、「やらなければならないこと」以外、やれない運命にあるのではないでしょうか。
おそらく、被災地にボランティアにいける人は、
そういう運命にある人なんだな、と。
そして私の運命は、運命的に子どもが熱を出したりして、
やれない運命なんだなあ…って思ったんです。
ほぼ同じ時期に、ランディさんとミュージシャンのせとちとせ ちゃんに
荷物を送ったのですが、
何故か手違いで荷物が行き違ってしまって。
ランディさんに送った「もしもあなたが奴隷だったら」という絵本と
「青森のタカラモノ」という鈴木正治さんの写真集が、
せとちとせ ちゃんのところに届き、
せとちとせちゃんに送った拙著の「しあわせ道場」という、、
この本を読んだ友達が全員結婚したという、
結婚のためのバイブルというか、結婚はこんなに大変だけど
やってみるのもいいかも?
という結婚成就のために送った本が、
……ランディさんの元に届き。
- しあわせ道場 (知恵の森文庫)/山田スイッチ
- ¥580
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何故なんだろう? と思ったら、
ランディさんのダンナさんが、
「それは、せとちとせが運命的に、結婚できないってこと???」
という、すごい見解を示されまして。
運命って恐ろしいなあと思ったわけです。
それか、「もしもあなたが奴隷だったら」は、せとちちゃんが
読むべき本だったのか?
- あなたがもし奴隷だったら…/ジュリアス レスター
- ¥1,890
- Amazon.co.jp
この本は、すごいですよ。
なんと、スイッチかあさんの通っている小児科に置いてあったのですが。
荷物のように並べられて船で移送された奴隷達は、
途中で疫病にかかり、次々に海に投げられて死に、
最後、本当に健康な肉体を持った者だけが、
アメリカ大陸に連れてこられたのです。
人が奴隷として、働くために。
この本を読んで、奴隷の現実の凄まじさに、
大いなる悲しみに、癒されていく自分がいたのです。
小児科で、子どもの熱に心配し、あらゆる予定は変更され
運命の前にどうにもならないと感じていた私は、
やっぱり奴隷だったんじゃないか? って
考える前に、感じたわけです。
やっぱり子どもを生むと、
もう一人の人間ではなくて、家族全員の健康状態を守る人間であり、
自分勝手に生きられないというか。
トイレもおちおちしていられないというか。(泣くからトイレのドアは常にオープン)
すごくしあわせだけど、どこか運命の奴隷であるという
悲しみがあるわけで。
その悲しみが、この本の持つ絵の力に、ずっと深いところまで
潜り込まれてしまって。
「悲しいのはおまえだけではないよ」と、全部をもってぶつかってこられた気がして。
なぜか、癒されてしまったのでした。
せとちちゃんには、この本は届くべき本だったのかどうかは
わからないけども。
この本を読んだことを、私は一生
忘れないだろうと思うのです。