アール・ブリュット~交差する魂~ を観に、松下電工汐留ミュージアムへ。
どうにも、言語にしがたいのだけど、
見ているうちにおでこがじんじんと痺れるようになってきて
目は、開いたまんまになっちゃって。
作家さんの中には、3~4歳の頃から
電車にしか興味がなくて、
電車の正面の顔をひらすら細かくたくさんたくさん、描いてる方がいて。
それを見てたら、ここ数年。
師匠が生まれてからずっと、線路の前で電車がくるのを待っていて。
電車が来たら、全身で喜びを露わにして
「バイバーイ!バイバーイ!」
って、手を振っていた、あの歓喜が甦ってきて、
涙が出ました。
本当にこれは、生の芸術(アール・ブリュット)でした。
電車が走ってくることが、
どれほどの歓びを産み出すのか。
『ドン・キホーテ』が好きで取り憑かれたように
ドン・キホーテを絵で、文字で、表現し続ける作家の
喜びは、
全身を貫いている。
夢中になって作られたもの。
それが、アール・ブリュットなのだと思った。
青く美しい、坂上チユキさんの絵は、
前頭葉がボーッとしてきてしまう。
ただこの美しい点々と全体を見ているだけで
言葉にならない、変な状態に陥る。
一緒に行った手芸作家のやまもとゆみさんは、「指先がもう何かを作りたくてしょうがない」という
状態になっていた。
何もかもが吹き飛んだ。