エコハンター第14回 「未来のクリーニング」
人に、衣類に、環境に。
びっくりするほどこだわりを持ったクリーニング店がありました。
弘前市城東と河原にある「クリーニングみらい」さんは、
洗濯の水作りからこだわったクリーング屋さんです。
「洗濯には全行程で軟水を使っています」
「軟水ですか!」
びっくりして私が言うと、社長の出津貴弘さんはこう語りました。
「ある時、『えどや』さんというクリーニング屋さんから軟水で洗濯がしたいと言われまして。
私はボイラー販売の仕事をしていたので、それなら簡単だと答えたんですね。
ボイラーには軟水機が必要不可欠なんです。
クリーニングのことは、『えどや』の田中喜昭さんの背中を見て勉強してきました」。
出津さんが続けます。
「軟水で洗うことによって石けんカスが出なくなり、環境汚染が防げますし、
洗濯に使う石けんも必要最小限の量で済ませることができます。
そうすると、衣類への残存量も減らせるんですね」
使っている洗剤は、「無添加のパイオニア」と呼ばれる「シャボン玉石けん」です。
化学洗剤にアレルギーのある人には、無添加石けんは安心ですよね。
洗う温度にもこだわりがあり、
汚れを落としつつ、衣類の縮みを防ぐ最適な温度で洗濯されています。
プレス機やアイロン、乾燥機のヒーターに使われた高温の蒸気は冷めても110℃あるので、
その熱を乾燥室の熱源に再利用されているそうです。
だからここのクリーニング店からは、店の周りに蒸気が漏れていないのですね。
蒸気の熱まで再利用するとは、驚きです。
みらいさんでは綿布団や羽毛布団も水洗いするそうです。
汗の汚れは皮脂汚れですので、水洗いすると気持ちいいですよね。
Yシャツの仕上げに使う洗濯糊も市販の酢酸ビニール製ではありません。
光沢を出すために中華食材であるタピオカを糊にして、
静電気防止のためにEM(有用細菌郡)を使って静電気を電解しているそうです。
出津さんは、「専門店でのクリーニングは着心地よく、
汚れ落ちよく、仕上がりもよいという風でなければならない」と言います。
Yシャツのお洗濯は一枚136円と、品質にこだわりながらも、手頃なお値段です。
何よりも、洗い上がりの衣類のふかふかの感触と、石けんの匂いに心癒されるので、
こんな環境に優しいお洗濯が、もっともっと拡がっていけばいいなと思いました。