雑誌「天然生活」を読んでいると、
つくづく現代の「不便」は贅沢なんだなあと思える。
手作りの家具、手作りのパン、丁寧な暮らし。
そういうものに憧れるわれわれ現代人は、
工場で作った家具と工場で作ったパンと、大ざっぱな暮らしに
翻弄されているのだわ、と感じる。
計画停電が起きても、左右されない生活は贅沢だと思う。
「そうなってくると、掃除機でガーやるより箒でお掃除がぜいたくよね。」
「リネンのぞうきんとか使うのよ、贅沢よ。」
「自転車通勤なんてのも贅沢よね。」
「デスクワークに縛られた我々社会人の運動欲求を満たして贅沢だわ。」
「無線LANより有線のLANの方が線が実感できて贅沢よね。」
「わあ、何コレ? パソコンから線が出てるー! って若い者は驚くわ。きっと贅沢よ。」
「炊飯器はやっぱり土鍋かしら?」
「土鍋でお焦げとか食べさせたら、首都圏の人から相当お金を稼げると思うわ。
オコゲ初めて見る~! って言うわよ、絶対。」
「やっぱり灯りは蛍光灯より電球なのかしら?」
「いいえ、キャンドルよ。キャンドル。キャンドルが一番贅沢よ。」
やっぱり退職したら離島でのんびり暮らしたいっていうのは、
こういう不便な暮らしを夢見ているのではないだろうか。
あらゆるものを得てしまった我々だから、
不便な暮らしは贅沢に見える。
- 天然生活 2011年 05月号 [雑誌]/著者不明
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