青森空港から京都駅までは、
飛行機と空港バスを使うと、たったの二時間半で着きます。
京都の法然院で開かれた、田口ランディさんの朗読による「転生」は、
その日飛行機の上から見た雲海から落っこちたり、
雨水になって地面の底に沁み入っていったり、
樹木に吸い上げられ、葉の先から蒸散し、また
空に還っていくような。
とりとめなく、転生し続ける命に自分がなってしまって。
犬に生まれたり、人に生まれたり、虫に生まれたりと。
朗読を聞いている最中にその転生し続ける魂に感情移入してしまって。
だんだん、自分が何者かわからなくなってしまい、
通崎睦美さんのマリンバの音に巻き込まれていって、最後。
転生し続ける自分が、呼ばれていった磁場の名前を聞いて。
涙が出たのでした。
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何度も読んだはずなのに。
すっかり忘れて、転生し続ける魂と同じ気持ちになっていました。
朗読とマリンバのコンサートの後、
ご住職の梶田真章さんと、通崎さん、ランディさんの
トークがあり。
通崎さんが「御本堂で蚊をたたきつぶした」というありのままさに
驚いて、なんかすげえなあと感じました。
やっぱり、本堂ですと、蚊にも遠慮してしまいますもの。
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通崎さんってどんな人なのかしら?と友人の着物デザイナー、
やまもとゆみさんにお聞きしたら、
「矢野顕子がピアノで語るように、通崎さんはマリンバで語るの。
彼女のマリンバは本当にすごいよ!」と言われて。
楽しみにしていました。
マリンバ奏者であり、アンティークの着物コレクターで。
着物を着たまま自転車にも乗ってしまう通崎さんの
エッセイ「天使突抜一丁目」は、読んでるだけで
京都にいるような、そんな気持ちになっちゃいます。
質問のコーナーでは、
梶田真章さんの言葉「ありのまま」の、「ありのまま、がわからないんです」
という質問に、梶田さんは
「思った通りに生きていいんです」とおっしゃって。
思った通りに生きていいんだ~!と。
なんだか。
スカッと、小さな雲のかかった胸の内がパカーンと砕けて、
青空が見えた気が致しました。
京都、素晴らしかったです。
法然院にたどり着いた時の、シダ植物の緑の匂いが
たまらなかったです。