昨日は、弘前中三で開かれた佐藤初女さんの講演会に。
今、初女さんが何を感じて、どういう思いでいるのかが気になって
参加したんだけど、
久しぶりにお会いしたイスキアのスタッフの皆さんは
とても元気そうで。
相変わらずの元気を、あそこの皆さんは
全員が七十歳以上というスタッフであるにも関わらず、発揮していることが
素敵だと思った。
初女さんは小さい頃、学校から家に帰った時に
お母さんが不在で、「なんだ、誰もいないのか」と言ったことが
ありました、と語られた。
家の中心にお母さんがいることがどんなに
大切なことかを。
お母さん以外はそこにいたのに、
「なんだ、誰もいないのか」と言ってしまうほど
お母さんの存在って、大きいものなんだそうです。
なんか、わかるかも。
最近、師匠(4歳)が弟ができたせいなのか、
4歳になったせいなのか。
10秒に1回のペースで
「おかあしゃん、見て-!」
と言います。
10秒に一回ですよ。10秒に。
そんでそのたびに「はいはい見てますよー」って
答えるわけだけど。
一日に何十回もその「ピカチュウ見てー!」
「ブロック見てー!」「おかしゃん、見てー!」を言われていると
時折、頭に来たりしまして。
「見てるっちゅうねん!」と言いたくなることもありますよね??
それで、ものすごく大人げないんだけど
「師匠!お母さん今、包丁でにんじん切ってるの。見て-!」
「ほら、お母さん今お鍋ににんじん入れたよ、見てー!!」
「見て-!お母さん今度火、つけるから!見てー?」
と言ったところ、
得も言われぬ快感がよぎったんですね……。
な、なんだろうこの、「見てー?」と言う時に感じる快感って……。
誰かに見てもらえるって、こんなに気持ちのいいことだったとは……。
しかし
その時師匠は私の「見てー?」を聞いたとき、
4歳なのに苦笑いをしていたのでした……。
それで気がついたんですけど、
この「見てー?」って言うのは、すごく男の子に特徴的なんじゃないでしょうかね。
実をいうと、うちのケンさんもしょっちゅう「聞いて聞いて!」っていう
感じで喋ってくるんですよ。
今はまってることについて。
ケンさんの今はまってるもの。
それは筋肉とかプロテインとかラズベリーケトンという物質についてなのですが……。
それをですね、まるで子供のように熱心に話すんですよ。
生後2ヶ月の子供をあやしてる最中に。
それと同時進行で師匠が何事かを一生懸命話しながらブロックなんぞ作って
10秒に一回のペースで
「見てー?」「見てー?」を繰り返してくるわけで。
さすがにどっちの何をどうしたらいいのかわからなくなって。
「お、お母さんは聖徳太子じゃない!!」
と言ったところ、
ケンさんが冷静になって
「聖徳太子っきゃ、いねかったんだ?」
と言ったのでした。
ええっ!? 聖徳太子っていなかったの!?
そして、思ったのがきっと
母親って、話を聞いてくれる人なんだなあと。
いつもいることが必要なんじゃなくて、
ちゃんと受け止めてくれる存在が必要なんだなあと。
思ったのです。
話を聞いて相づち打ってくれる人っていうか。
その存在を否定しない人っていうのが
求められて、母親という役目を負っているのではないかと。
何故なら、佐藤初女さんは、
みんなに「お母さん」と呼ばれて、慕われている人だから。
いつもそこにいる存在ではないのに、「お母さん」と呼ばせる何かが、初女さんにはある。
初女さんは、人の話を黙って聞いてくれる。
初女さんの思ったとおりに相手を変えようとしない。
目の前に対峙する人のすべてを全部受け止めると、
目の前の人が、自然と癒されていく。
その存在を否定しないっていうのは、本当に
大きなことなんだ。
最後の質問に、
「何故平和が訪れないのでしょうか」という重い質問があったんだけど、
初女さんは案外あっさりと
「人間が自分本位だからです」と
答えていらっしゃって。
「自分がこうされたら嫌だな、と 相手の立場になって考えれば
争いごとはおこりません」
とおっしゃられていた。
面白いのが、「輸入食品やあらかじめカットされた野菜についてどう思いますか?」
の質問に、
「輸入食品は買わないこと。野菜は包丁を使って、全部切ること」
と、びっくりするほど直球ストレートに語られていて。
なんか格好いかった……。
そうか、もうダナブルー(デンマーク産ブルーチーズ)はあきらめるか……。
イスキアではカッテージ・チーズも普通に作ってることだしな……。
そして、ご飯をきちんと食べていれば大丈夫です
と、何度もおっしゃっていた。
ご飯をきちんと食べる、食べさせるは
生活のリズムを作る大切なことだ。
初女さんは今、若い人たちに大変希望を持っているのだそうだ。
東京では初女さんの講演会の訪れる多くの人が若者で、
その年齢層もだんだんと下がっているという。
若い人のつくる未来に、希望を持っている。
若い人もそうでない人も。
初女さんの言葉や、その姿に触れたら
変われると思う。
初女さんの本を読むと、がんばろうって気になってくる。
初女さんのお料理/佐藤 初女
¥1,890
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新しく出された本。
イスキアで供されるお料理のレシピ本になっている。
あの美味しそうな梅干しの作り方が載っています。
おむすびの祈り「森のイスキア」 (集英社文庫)/佐藤 初女
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初女さんの本を一番最初に読むなら、
この本が一番だと思う。
何度も読んで、何冊も買って人に配った。
「私には心がある。心だったら、汲めども汲めども、無尽蔵にある」
この言葉が忘れられない。
昨日の母の日は、
バッチャとケンさんのお母さんに花束を。
実家の母にはエプロンを贈った。
師匠からは、保育園で描いたお母さんの絵をもらって、
ホワイトボードに
「おかあさんすき」って書いてもらっちゃって……
お母さんになってよかったなあと思った。
うん。この絵は、お母さんの一生の宝物だよ って思った。