よしもとばななさんの最新作、「花のベッドでひるねして」を読んだ。
この本は、じっくりと自分の中に入ってきて根を下ろすような
大きな本だと思う。
ばななさん自身が最高傑作だとおっしゃるのが頷ける。
お正月に読もうと思っていたのに、
面白くて一日で読んでしまった。
生きることの謎を、私たちはいつも抱えているけど
本作ほど、丁寧にこの問題に取り組んだ小説はないと思う。
同じ時期に羽海野チカさんの「ハチミツとクローバー」を読んだのだけど、
物語というものの美しさと強さを感じた。
物語は、本当に丁寧に紡がれている。
ばななさんは、プロットを最初に作ってプロット通りに小説を書くのだと
新刊ニュースのインタビューで語られていた。
糸で織られた大きなタペストリーのような物語を
創造するとき、そこに込められた時間や思いは一つ一つ縫い込まれていて
大きな作品を前に、今まで本を読んできた人生が
本当に大切なものだったのだと感じた。
自分自身の生き方も、肯定してくれたような気がするこの本。
わたしの、取るに足らない毎日だけど、とても大切で、
大事にしていきたいものがいっぱいの
小さな毎日を勇気づけてくれる。
羽海野チカさんの漫画で、最後にハチミツとクローバーを見た時には
涙が出た。
本当にその物語のすごさに、持って行かれてしまったのだ。
本を読むことができてしあわせだと思う。
私は、自分もお笑い方面のだけど、物書きをしているので、
人に本を手にとってもらうことがある。
手にとってくれた人達に、ほんのひと時でも何か、きらめく時間が訪れてくれたならと。
自分も、もっとがんばっていきたいと思わせてくれる本だった。
2013年の暮れにこの本が読めて良かった。
そして、まるで引き寄せの魔法のようにこの本を贈ってくれた
新刊ニュースの石川淳志さんに、心より感謝を込めて。
2013年12月31日 山田スイッチ
スイッチさん、良いお年を☆
境くん あけましておめでとう!