無意味せんげん - 山田スイッチ –
山田スイッチは、一切意味を求めません。ちなみに7歳男子と3歳男子を田舎で子育て日記。
2006/06/12 カテゴリー: ブログ えっおー。 はコメントを受け付けていません

子供が最近カッコーの鳴き真似をして、
「えっおーえっおー」って言ってるのがすごい
可愛いのですが。
久しぶりに、育児コラムでも書いてみたいと思います。

三歳以前の記憶ってどうして憶えてないんだろうかと
不思議に思うのだけども。
ケンさんに言わせるとそれは、頭ゴン!って
「打った衝撃で」忘れてしまうらしいのですが。
(そんなバカな…。)

だから師匠が転んで頭「ゴン!」っていうと、
ケンさんは「今ので今日までの記憶飛んだ」っていうわけだけど。
一歳と二ヶ月で「ンマンマ」とか、「バーバイ」(バイバイ)
「じ、じ」(ジッチャ)、わんわん(犬)とか言ってる師匠を見ると、
そうとう、世界を把握してるなあって思う。

そんで表に出ると鳥が飛んでて、
一歳のこどもが空を指さして。「えっおー。えっおー」
二人揃って「えっおー えっおー」言ってると、
本当にこの世は喜びで溢れているなあって思う。

せかいを感じる言葉が、「えっおー えっおー」みたいなもの
だけだったら、
相当。
見えてる世界は平面ではなく、
どこまでも飛び、飛び立ったまま、
返ってこなくてもいい。

ずっと子供とおしゃべりしていたい。

田口ランディさんの新作。『被爆のマリア』が面白いのは、
やっぱり、言葉を超えようとしているところだと
思う。

「ダメです、そんなことしちゃダメでしゅ。やめて、お願い」
「ダメなんでしゅ。ダメなんでしゅ」
「父なんでしゅ……。この人、あたしの父なんでしゅ」

本屋さんで本を開けたら、
ここの文章が一番最初に目に入ってきて、ぞわっとした。
ここの文章だけでも「ぞわっ」として、買いたくなった。
何よりももう、タイトルでノックアウトされている。
『被爆のマリア』
これ以上に言うこともない。

田口 ランディ
被爆のマリア

見えてる世界は
平面ではなく、どこまでも飛び、
飛び立ったまま、
返ってこなくてもいい。

三歳以前に感じている世界は、そんな感じなのかもしれない。
こどもと一緒にいると、
ときおり世界がそんな風に。

大きな森にみえる