その人が、
その目でどんなものを見て、
どんなものを感じているのか
それは、
その人とともにいなければ、わからない。
同じ風景を見ていても、
見ているものが違ったりするけど
その人の口から、見ていた景色が語られるのを
私は好む
見つけた石。
一つ一つちがう、石。
その石について思うことを、その人の口から聞きたい。
なんとも思わないよ。
それでもいい。
思ったことを語ってほしい。
田口ランディさんの見ている世界を、小説で初めて知ってから
私の見ている世界はとても大きく変わった。
彼女の、ものの見方が言葉で語られ、
私の目に入ってきたから。
一緒にいると、からだをつかって音を震わせて声を発して
語られる言葉に、またちがうものを感じる。
そうして、
人と、人とが、少しずつ
自分の見ている世界を
分け合う
そういうとき、私は とてもうれしい。