昨日は友達の舞踏家さんの家に呼ばれて、日本中をギターと手作りの三味線を弾いて回るヒゲのアーティストさんのミニコンサートに遊びに行った。
師匠と私の友人とでその家に着くと、ご馳走の準備で湯気が上がって、はやにぎやかに。
稽古場には、座敷が用意されアンプの用意もできており、コンサートは正に始まろうとしていた。
観客は二歳児と三歳児、そのご家族と数名のお友達、舞踏家さん一家と犬一匹。
「彼の演奏は海の前で聴くとすごいのよ」と言われ、高まる期待。
師匠を膝に載せて、静かに待つこと一分。演奏が始まった。
一曲めはできたばかりの新曲をプレゼントだという。そして、彼がギターを爪弾きだした。
え?
ええ?
下手?……ひょっとして、下手?
私と友人は目を合わせ、互いに驚愕の表情をしていた。
い、いや、下手とはいえ。一人の人間が一生懸命爪弾いてるんだから、聴けないわけは……あ、そうそう。おお、急にメロディーラインが良くなってきた!
アーティスト氏・推定年齢60がつぶやくように歌った。
「ルッシッインザスカー…ウィズダ~…ルッシッインザスカーウィズダ~」
!?ルーシー・インザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンド!???
そ それ……、
パクリやーん!!
曲終わりと同時に声を上げる師匠。
「ねえ、もう終わった!?」
言っちゃダメー!!
驚きの一曲から始まり、はっぴいえんどと忌野清志郎となんだかよくわからないものを足して3で割ったようなギター演奏が終わる頃、あちこち徘徊していた師匠が、踊り出した!
ギターは三味線に変わり、沖縄民謡のような陽気な曲調に。すると、師匠がブレイクダンスと舞踏をかけて、泡盛を足したような踊りを創作?!
あまりの楽しさに私も一緒に踊り出した!気付けば沖縄料理店のような無作為な雰囲気が流れ、もう楽しいから何でもいいや!という気分に成り代わっていた!
うわあ~!人って、こんなにどうしようもなくても、生きていていいんだ~!!
ヒゲのアーティスト氏は既に、どうしようもない神様になっていた。ねずみ色のヒゲが神々しくあった。
こんなに楽しく踊ったのもまた久しぶりであり、息子が五曲ぐらい踊れる子供であることにまた、驚いたのだった。