サウスポイント/よしもと ばなな
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二日ほどかかって、一息に読んでしまった。
ばななさんの本を読むと、魔術にかかってしまったように
心の中にある切ない領域のギアがドライブに入ったままになる。
読み始めてしまうと読み終わるまで、
ずっとギアがドライブに入っているので、本を閉じている間は
空中を泳いでいるような気分になる。
胸が切ない。
しかも、この作品が私の、ばななさんの中で一番大好きな物語である
「ハチ公の最後の恋人」の続編であると知って震えてしまった。
ここのところ、ずっと本の感想文を書けないでいたのだけど、
きっとそれは私が「うまく書こう」という
ヘタな下心を持っていたから書けなかったのであって、
今日みたいに大好きな本を、師匠が保育園に行ってる自由な時間に読めて、
そして、ぽわんとした状態の中、書くことができる日は
なんだか本当に久しぶりで。
本を読んでいる間は、私は本当にしあわせであると感じる。
よしもとばななさんと田口ランディさんの本はいつも、
条件反射で買ってしまう。
文章がうまいというのは、魔術だと思う。
何か、脳みそを気持ちよくマッサージされてるような気持ちになって
とうとうとしてしまう。
どうしても感想文を書きたかったけど書けなかったのはこの本。
対談集で、こんなに読み終わりたくないと感じた本はなかなかないんじゃないかと思う。
言葉は、本を開けば誰にでも与えられる。
それがすごく嬉しい。求めていたような、空中を飛ぶような
そんな意識にギヤが入る。
生きる意味を教えてください-命をめぐる対話/田口ランディ
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私はやっぱり、本が好きだ。