無意味せんげん - 山田スイッチ –
山田スイッチは、一切意味を求めません。ちなみに7歳男子と3歳男子を田舎で子育て日記。
2005/11/17 カテゴリー: ブログ。 タグ: 相手 全て差し出す相手。 はコメントを受け付けていません

無条件で自分の時間を
差し出してしまう相手がいる。
この人には差し出してしまう。
〆切前なのに差し出してしまった……。
そういうわけで、
ここ数日ブログがアップできなかったのは、
私の敬愛する舞踏家・雪雄子(ゆき・ゆうこ)さんの
長い舞踏家人生を短くまとめた
英文資料を作ってたからでした。

何故だか雪さんに私は振り回されてしまう。
わがままな女性に振り回される男性みたいに。
自分から自分の身を差し出してしまうのだ。

それでも、彼女の舞踏を見たら、
そうなってしまうのも仕方がないことだと思う。
舞踏というのは不思議なものだ。
何故ああいった表現形態に救われるのかはわからないが、
彼女の踊りを見ると
一瞬の、ふいを突かれて涙が出る。

鷹ざしきで踊る雪さん

そして何故だか思い出してしまうのだ。
小学校の雪の日の帰り道とか、
もう思い出せない日の一日を。
その日に着ていたヤッケ(アノラック)の
温かさを。一瞬にして思い出すのだ。

葬式の、留守番三日目。
雪さんと師匠(息子)と私の妹で、泊まり込みの資料整理。
ワインとチーズとジャーマンポテトと。
ご飯とサラダとポークビーンズを食べながら。

足裏の記憶装置と、
踊りの呼吸について聞く。

「山歩きするとわかるんだけどね、
歩いているとだんだん苦しくないように呼吸するから。
踊っていて苦しくない呼吸はやっぱり、腹式呼吸なのよね。
風船を思い浮かべればいいの。
風船が、パンと膨らんだ……そこに、小さな穴がぽつんと空いて、
少しずつ空気がすぅーっと漏れていくみたいに息を、
ふぅーっと吐くの。」

水中エアロビクスの
インストラクターをやってる妹は、
雪さんのビデオを見せると
水中の動きみたいだ! と興奮した。

私は私で、
出てきた写真の美しさに
興奮していたのだった。