無意味せんげん - 山田スイッチ –
山田スイッチは、一切意味を求めません。ちなみに7歳男子と3歳男子を田舎で子育て日記。
2009/07/01 カテゴリー: ブログ。 タグ: 奇跡 奇跡が起こった。 はコメントを受け付けていません

世の中、色々なことが起こりますが。
あり得ないことが先週は色々各地で起こったみたいで
そういう時にはケンさんの編み出した魔法の言葉。

「チチンプイプイ、なるようになあ~れ!」

と、唱えてみるといいみたいです。
ええ。

先週……。友達のTちゃんが山に山菜採りに出かけ、
山で捨て猫を発見。
かわいそうにと拾って帰ると、その猫が突然具合が悪くなったのか
吐き気をもよおし。

突然出産を始めたそうなんです。(エエ~!?)

あれよあれよと言ってる間に一匹の猫を拾ったつもりが
六匹の猫に

………まあ、そんな時につぶやいてみるといいのでしょうね。

「チチンプイプイ、なるようになあ~れ☆」

そんなわけで、
Tちゃんが猫を6匹に増やしている間に
平川市(旧・尾上町)のわが家では、
世界的な舞踏家の雪雄子さんと三文書きのスイッチかあさんが
7月17日にスペースデネガで決まった雪雄子 舞踏公演 「薬玉」の
ポスターデザインに苦しんでおったのでした。

我々は、踊ることならできても
デザインすることが一切、できないんです。
書くことならできても、デザインすることが全然できないんです。

「ハー!困った~!」

と叫びながら、フォトショップに向かって無力のスイッチかあさんが
数時間、雪さんの応援に応えながら画像をあっちこっち、
文字をあっちこっちやってみるものの、
「明朝体がどこにあるのかわからない」という、
もう、救いようのない状態で一応のポスターが完成。
しかし完成直後に、「やっぱり、ゴシック体じゃイメージに合わないわ」という
もっともなご意見で数時間の作業が無駄に帰したり。

泣く泣く最初からやりなおしの状態で、
雪さんと考えた結果は、

「もう、手書きでなんとかするしかないッスよ!」

というものすごく原始的なアイディア。
実をいうとスイッチかあさん、手書き以外にポスターを作った経験がありません。
雪さんのような芸術である舞踏の公演ポスターは、
海外のものは雪さんではなくプロデューサーがきちんと手配して
宣伝してくれるので一切の問題が無いのですが、
日本に帰ってぼんやりと瞬間的なアイディアで場所と日程を決めてくる彼女の地元公演には
宣伝のための準備時間が、いっつもないのです。
しかも、普通の人が探し出せないような聖地でばっかり踊るし……。
(弘前のはだいたい、いつも公演の一週間前にポスター貼って、
三日前か前日にうちのブログで発表するくらいのが多い……。)

湯河原出発前にフォトショップ作業で爆沈したスイッチかあさんには、
一縷の望みがありました。

それはうちの近所に芸術家が住んでいるということです。
そう。うちから200メートル圏内にすっげえ若い芸術家が住んでいるんですよ。マジで。
彼が引き受けてさえくれれば、我らはこの苦しみから解き放たれるのに。
だって、本当にデザインってわけわからないんだもの!

湯河原から帰ると雪さんからメール。
「スイッチさん、おねがい。ご近所の芸術家さんを紹介してください」

そんなわけで。
ほぼよくわからない状態になっていたスイッチかあさんと雪さんは、
子供が夜中に熱を出して町医者のシャッターを叩く母親のように
ご近所の芸術家・葛西晋也くんに助けを求めにいったのでした。

「助けてください! 大変なんです、助けて下さい!」

すると晋也くんからの返信。
「いいっすよー」

夜中に駆け込んだ我々に、晋也くんは神業とも言えるスピードで
雪さんのイメージ通りにポスターを完成させてくれたのでした。
しかも二時間で……。
ほ、本当に近所に芸術家が住んでて良かった……!!

そんなわけで。
雪さんの舞踏公演は7月17日(金) 午後7時開演です。
場所はスペースデネガ。入場料は大人2000円(当日券のみ)
公演タイトルは「薬玉」です。

くす玉が割れて、中から七色の色彩が弾けて、黄鳥が空精(ソラ)に啼く という
イメージなのだそうです。

舞踏しか踊れない雪さんと、物しか書けないスイッチが、
デザインの力を持つ葛西晋也くんに出会えました。
尾上町、すげえ。
このまま、「これしかできない人間」がたくさん集まって、
雪さんの思い描いている「聖獣サミット」が開催できたらいいなあと
思っているのです。


チチンプイプイ、なるようになあ~れ!