無意味せんげん - 山田スイッチ –
山田スイッチは、一切意味を求めません。ちなみに7歳男子と3歳男子を田舎で子育て日記。
2010/09/14 カテゴリー: 書評のようなもの。 タグ: 手塚映画白痴監督 手塚真 監督の映画『白痴』が見たい はコメントを受け付けていません

仕事をしているおかあちゃんなので、

映画を観る、ことができるのはほとんど

年に1回とか0回とかその辺。


なので、最近の映画事情は本当にわからない。

マペ次郎が保育園に入園して、ふと時間が空いた時に

慌てて『片桐はいり4倍速』を観て。

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ああ、松尾さんのお芝居が観たい…と切に願いつつも、

そういえばこれは、映画ではなくて、ショートムービー?

ということに気づき。


今、一番観たい映画は

8年ぐらい昔に劇場で観た、手塚真監督の映画『白痴』なのです。


さ、坂口安吾が原作。

ドストエフスキー&黒澤明監督のでなくて。

安吾&手塚真監督のヤツ。


この映画、始まりのシーンが広島か長崎の原爆か、

太平洋戦争かなんかの、黒い白黒映像で。家を失った子どもの泣き声がだんだんと

大きくなっていくんだけど。そこに、そこにですよ。


そこに、世にも美しい、ファッション雑誌の黄色いドレスを纏った

女性たちが、がれきの上でゆっくりと美しいポーズを決めて、メイクさんは

モデルの顔にパフを置き、写真家の、浅野忠信が夢中でシャッターを

切り続ける…という。


「観たこともない」


映画なのです。


近未来的な、坂口安吾の世界。


安吾好きにはたまらないかも?


ついでに、


坂口安吾で私が一番好きなお話は、

「ジロリの女」です。

「ジロリの女」「白痴」「堕落論」の

順に好きかな?

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とりあえず読むなら新潮文庫の「白痴」がおすすめ。

「私は工場街のアパートに一人で住んでおり、そして、常に一人であったが、

女が毎日通ってきた。そして私の身辺には、釜、鍋、茶碗、箸、皿、それに味噌の壺だのタワシだのと
汚らしいものまで住みはじめた」(坂口安吾『いずこへ』より)

という一文がどうしても忘れられない。

15年ほど前は、「安吾の文体、超イケてる。」


と。そんな風に思ってたスイッチかあさんでした。

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