無意味せんげん - 山田スイッチ –
山田スイッチは、一切意味を求めません。ちなみに7歳男子と3歳男子を田舎で子育て日記。
2010/04/16 カテゴリー: 宣伝。 タグ: イベント生誕竹山青森高橋 竹山にありがとう  高橋竹山生誕百年  青森イベント はコメントを受け付けていません

本日のコラムは、

読売新聞青森県版 山田スイッチのTHE・青森暮らし を

加筆・修正させていただいております。

4月25日のイベント、「竹山にありがとう」へ

ぜひとも皆さま、足をお運びください。

竹山にありがとう 実行委員会 山田スイッチ 


友人に、青森放送に務めているお美緒さんという、

とても素敵な女性がいます。


彼女は青森放送のラジオ番組「あおもりTODAY筋野商店」や「あさぷり!」の担当

ディレクターでもある。


 お美緒さんに会うと、いつも彼女の企画した、ものすごいイベントの結末を教えてもらえる。お美緒さんが言った。

「うちの会社で24時間、ずっとラジオ番組をやる24時間ラジオっていうのがあるのね。」

「24時間、ラジオですか!?」

「去年、サンロードでね、目の見えない女性3人に集まってもらって、

オシャレについて語ってもらったの。そしたら、すごいの。視覚障害のあるAさんが胸の辺りを指さしてね、『この辺に、猫の模様が入っている、はず!』って。それを受けたBさんが『私も、この辺にお花の模様が入っている、はず!』って。」

「はずって……、あ、アバンギャルドだなあ……!」

「彼女たちは、オシャレに関しては真剣よ。もちろんお化粧だってするし、オシャレに対する考えはみんなそれぞれなんだけど、たった一つだけ共通して言うのが、『ヘルパーさんがオシャレじゃないとオシャレにならない!』」


「ななな、なるほど~! なんか、格好いいですね!」

お美緒さんが続けていった。

 「2年前のことなんだけど、大野小学校で高橋竹山のお弟子さんだった、西川洋子さんにどだればちサンバを三味線で演奏してもらって、全校生徒で踊るっていう企画をやったのね。」

「ほうほう!」

「そうしたら、幕が上がる寸前に洋子さんの三味線の棹が、バキって折れたの」

「えっ、えええええ?」

「もう幕が上がる寸前だったから、どうしようどうしようって、みんな焦ってたんだけど、洋子さんが、……あれまあ、折れてまったなあって」

「ええ~っ!」

 「そうしたら、ダンナさんに、普段演奏しない竹山の三味線を持って来てって言ったの。洋子さんがその日、たまたま持っていた竹山の三味線は、今の三味線みたいに派手な音は出ないけど、それは竹山が30代の頃、成田雲竹の伴奏をしていた時の三味線だったのね」

 竹山の三味線は、やわらかい、小さい音で。その時演奏されたのは、まさに70年前の三味線の音だった。
 

「洋子さんがね、だんだん本当の三味線の音って聴かなくなったから、竹山先生、子供達に本当の三味線の音を聴かせたくて、わざと私の三味線壊したんじゃないか……って。」

 演奏が終わると、手伝いに来てくれていた父兄の人たちも、先生方も、みんな涙で目を潤ませていた。竹山の三味線が奏でる小さな音が、みんなの心を一つにしてしまっていた。

 三味線の原点の音って、一体どんな音なんだろう……? 

目の見えなかった竹山には、世界はどんな風に感じられていたんだろう。

 「私、竹山に若い頃、マンマかへられて(食べさせてもらって)いたのよ」と言ったのは、

私の大好きな民俗学研究家の田中忠三郎先生だった。

「その頃私、遺跡の発掘を10年やっていて、発掘なんかじゃマンマ食われなくて。門つけをしていた竹山に、マンマかへてもらってたのよ」

 竹山はたいそう、ねぶたが好きな人で。

竹山の吹く笛の音は、たいそう澄んだ音がしたという。先生はその頃、ラジオで棟方志功が竹山に会いたがっているのを聴き、2人を引き合わせた張本人だった。

 竹山と志功は一瞬のうちに打ち解け合い、

「竹山、今日はねぶただ~、ねぶただ~!」「志功よ~!」と、初対面で名前を呼び捨てあって、その場でピョンピョン跳び始めたという。

 「竹山にマンマかへてもらった、お礼がしたい」と、田中先生が言った。

お美緒さん

「それじゃあ、本当の三味線の音も西川洋子さんに弾いてもらって、竹山にありがとうを言う日を作りましょう!」

 私とお美緒さんは、

今月25日に竹山のイベントを組むことに決めた。

竹山がどんな人だったのかを、

知ってもらう日にしたいと思う。

竹山にありがとう 2010年4月25日(日)

PM3時開演 (2時半開場)

出演 三味線 西川洋子

   語り 田中忠三郎

   聞き手 山田スイッチ




場所 青森市 旧おきな屋本店(青森市新町2-8-5)

チケット 1,000円  付き添いの方(ヘルパーさん)無料

お申し込み・お問い合わせ

jomon_tomonokai@yahoo.co.jp

こちらにお名前と連絡先お電話番号を記入して

メールでご連絡ください。

竹山にありがとう 実行委員会

企画・協力 青森放送



※会の後、田中忠三郎先生のコレクションから、本物の縄文土器を

お借りして、本物の土器に触ってみようというコーナーを設けます。

ぜひ、足をお運びになってください。