無意味せんげん - 山田スイッチ –
山田スイッチは、一切意味を求めません。ちなみに7歳男子と3歳男子を田舎で子育て日記。
2006/11/10 カテゴリー: ブログ 絵のこと。 はコメントを受け付けていません

なんで、絵なんだろうかと。

帰り道にふと思ったのだが、

ここ数年ずっと美術…が好きで、

展覧会おっかけみたいなことをしてて

ふと思ったんだが。


中学校の頃はよく学校行事で地元の博物館に連れていかれて、

絵を観て感想を書きなさいみたいに言われても、

正直、何の感想も持たなかった。


たくさんたくさん見せられて、

憶えてる絵が

たった、二枚。


恐らく、何百枚と見せられてるのだけど、

憶えてる絵は二枚だった。

だけど、その憶えてる絵二枚については

誰の絵だかはわからないけど。


その絵を観たときの背景とか

博物館の暗さとか

後ろを通ったよそのクラスの学生服の男の子の気配までが

頭か身体に残っているのだ


ここ数年自分が、うっかり好きになって観に行ってしまう

展覧会は。

驚くほどに、記憶に残っている。


憶えようとしなくても

残るものが記憶ならば。

私の記憶に残っていく絵というものは

魂にひっかき傷をつけるように

あるいは傷を薬で満たすように

存在しているんだなと 思う


先日観に行った横浜の

「アイドル!」展で。

川島秀明さんの絵が飾られている部屋を ゆっくり歩いていたとき

一つの絵の前にいて、

後ろに「なんか、すごい絵がある…」っていうのを

背中で感じて。


本当に、恐る恐る振り向いたら、

青い光が神々しいような

そんな絵が

目の前にあった。


そういう、

人生の鍵を握る人に出会った

瞬間のようなそんな空気を

感じるのは凄いことだ


川島さんは、自分は描いてる方だから、

自分の絵を観てそういう風に言われるのが

よくわからないとおっしゃっるけども。


だけどきっと、作家と白いキャンバスとの間には

何か目に見えない世界のようなものが

生まれ、

観る者の前にその扉を開くのだと思う。


夢中になって扉を開く

そのときほど

しあわせな時はない。