無意味せんげん - 山田スイッチ –
山田スイッチは、一切意味を求めません。ちなみに7歳男子と3歳男子を田舎で子育て日記。
2011/07/16 カテゴリー: ブログ。 タグ: 青森県 青森県のこと。 はコメントを受け付けていません

国の脱原発に三村知事困惑のニュース
が、

15日金曜日に発表されました。


それはそうです。

青森県は3月11日まで、ずっと原発推進でやってきたのですから。


もちろん反対派の方々も県内にはちゃんといました。

先日の十和田市では、長年反原発に取り組んできた

無農薬農家の苫米地ヤス子さんにお会いしてきました。


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「美味しんぼ 104 食と環境問題」にも出てくる

苫米地ヤス子さん。

美味しんぼは、震災前から原子力問題を取り上げていて

偉いと思う。


よほどの勇気と覚悟がなければ、

3・11前に原子力の問題なんて書けなかったはず。


苫米地さんは、三村さんが県知事選に当選したことを、

青森県民が原発推進を選んだと受け止めて、

非常に苦しんでおられました。


しかし、青森県民は原発推進という一つのことだけで

三村さんを選んだわけではないのです。


三村さんの当選を「県民の原発推進意識」と捉えるのは、

あまりにも「分けて考えられない」頭だと思うのです。


三村さんは、知事としてとてもがんばる人です。

そして、私から見て三村さんは論理的でないところが

非常に少ない、とてもできた人だと思います。



私は、論理的でない人がけっこう苦手です。


私は頭のよいバカの人が好きなのですが、

バカはバカなりの論理があって、

その論理を説明されて納得できるものなら、

その論理性は優れていると思うのです。


3・11以前、青森県は原発推進でずっとやって来ました。

県内には原子力がいかに安全であるかのCMが毎日のように

流れていましたし、

事故が起こらないのなら、それはそれで安全なんじゃないか? と、

原発に懐疑的な人も、飲み込まれるほどの

推進ぶりでした。


原子力発電所で働いている人がたくさんいるのですから、

それは当然のことと思えます。

そして、あまり知られていないことですが

青森県は風力発電にも意欲的に取り組んでおり、

いつも日本の風力発電一位、二位を、北海道と争っています。

3・11以降のことを今、考えるなら。

原子力発電所は「爆発すれば絶対に危険」という

事実を、踏まえなくてはならないと思います。


原子力発電所は絶対安全という言葉は、

3・11以降、もはや論理性を欠いたものとなってしまっていることを

認めなければならないのです。


ずっと国や電力会社に安全だといわれてきたことを

くつがえされる形となった青森県は、

混乱せざるをえません。


そして、六ヶ所村の再処理工場は

一体どんな不具合があるのか

2007年に稼働する予定だったのに

4年経った今、未だに動く気配がありません。

動く予定のものが動かない。

おかしな話です。


黒澤明監督は、
映画「夢」の中で、電気を使わない美しい水車の村を

描いています。


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ショートフィルム集であるこの映画「夢」の

中には

富士山が噴火して、原子力発電所が爆発するという

お話があります。

放射能に色を付ける技術が確立し、

放射能が目に見えたのはいいが

差し迫ってくる放射能に人々は無力に逃げ出し、

背広を扇いで放射能をよけようとする男の人の

必死の顔で物語が閉じる

滑稽であり、怖さのある映画です。

世界の黒澤は、原子力発電所が爆発したら

危険だとわかっていたのです。


どうしたら原子力を止められるのか。

今までは電気は「無限にある」ように私たちは

思わされていました。

だから、工夫をやめてどんどん電気を使うようになり、

原発に頼らなきゃ生きていけないようなライフスタイルにされて

しまったのです。

日本国内にできた原発の数は55基。

もし工場を土日操業にするだけで原発が止まるなら、

ライフスタイルを変えればいいじゃないですか。


国の備蓄米の冷蔵貯蔵を止めることで原発を一基止められるなら、

籾のまま貯蔵して冷蔵庫の電源を切ればいいじゃないですか。


(籾のままなら味が劣化しませんし、蔵が何のためにあるかというと

電気を使わなくても10度~20度の安定した温度を保つことができ、

野菜や米の貯蔵に有効だからです)


電気のなかった時代には、人は智慧を使って

物事に対処してきましたが、

昨今では、電気に頼り切ることしか考えなくなり、

すっかり智慧を使わなくなったように思えます。


建物の壁もどんどん薄くなって、断熱ができていないから

エアコンもがんがんかけなきゃいけなくなっている。

これでは電気の奴隷です。

管さんの再生可能エネルギー促進法案
は、

「実はこれ、新エネルギー産業を振興するすごい法案なんじゃないか?」と

思われる内容なのですが。 



被災地支援の後回し問題があって

国会からは反対意見ばかりが出てきます。

なんで松本大臣があんな形で辞職されたのか、悔やまれてなりません。

日本の未来は今、国民の目指すライフスタイルにかかっています。

その日本の原子力は、国民投票で問われるべきだと

思うのです。


国会の中で争う前に、地方の原発を保有する県を悩ます前に、

国民投票をしてもらいたいのです。


県知事選で原子力を問うのは、間違っています。

知事には、原子力以外にも県政を回してもらわなきゃいけないという

県民の願いがあります。

日本では国民投票は憲法改正のみにしか適用されないようですが、

もはや必要な段階だと思うのです。


過疎化で無理に原発を建てる前に、智慧を。

国民の意思を問うなら国民投票を。


賢さ以外に日本を救う手はありません。