エコハンター第134回「エコ遺跡 石見銀山」
先週は島根県大田市の石見銀山に行ってきました!
石見銀山は2007年に世界文化遺産に登録されて有名になりましたが、その世界遺産のある町並みはとても小さく、車一台通るのがやっとの道路幅でした。
しかし、古い町並みが保全されていることが世界遺産の登録に大きく貢献したのです。
石見銀山の大森地区では、歴史ある建造物がずらりと並びます。武家屋敷のほか、古民家を活かしたショップやカフェがあり、印象としては小さいけどもセンスのある街といった感じです。
家々で育てている盆栽が旅人の目を惹き、植物の美しさと町並みの美しさが溶け込み、世界遺産の町に来てよかったなあという気分にさせるのです。
改装した武家屋敷の中で食べる地元の食材を活かした和食もとても美味しかったです。
石見銀山が世界遺産に選ばれたのは、銀山で摂れる銀がアジアとヨーロッパを結ぶ交易や経済文化の交流の原動力であったことと、自然を破壊しない「灰吹法」という独自の精錬技術をとったことがあげられます。
石見銀山は、自然環境と共存した産業遺跡…つまり、エコな遺跡だったのですね。
そこで世界遺産に登録するために、エコな町づくりに徹底的にこだわったのだと思うのです。
排気ガスを出さないベロタクシー(屋根付きの自転車タクシー)で町を巡ることができ、レンタサイクルの店があって自転車をこいで町を回ることもできます。
歴史ある町の景観を壊さないように、なんと自動販売機までもが彫りのある木製の囲いに覆われていて、風景に溶け込んでいました。
石見銀山には、小さな町であっても景観で観光客を呼べる雰囲気があります。
青森県には世界自然遺産の白神山地があり、只今は北海道と北東北の縄文遺跡群が世界遺産の登録を目指しています。
そこに必要になってくるのは、町をきれいに保ちたいと願う私たちの意識なんだと思うのです。
美しい景観を保つということは、世界遺産に一歩近づくということ。世界遺産になるということは、観光客がやって来て町が賑わうということなので、町を美しくするって、本当はすごいことなんだと思ったエコハンターでした。
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