金曜日、写真家・永野雅子さんとトークショーをし、
発見したことですが。
私のやることには一から十まで、「理由がない」のだなと。
はたと気づいてしまいました。
おお、私には理由がない。
持っているのは情熱だけ。
これって、使いづらい人だよなあ……。
だけど、こんなスイッチかあさんをトークの相手に選んでくれた
雅子さんは、一つ一つ、物事を大事にする人。
理由がないスイッチかあさんと物事を大事にする雅子さん。
雅子さんがよく口にする言葉は、「人って必ず死ぬ」ということ。
トークの間は忘れていたけど、
それって、「エッジの立った生」だなってこと。
死のことを考えないでおこうとすると、生の方の輪郭がぼやけてしまうと、
中沢新一さんが以前、ほぼ日の「初めての中沢新一」で
語っておられたのを思い出しました。
永野さんは、そういうことを自分の、今まで生きてきたなかで感じてきていて。
言語にするとあやうくなってしまうけど、
なぜかその感覚をわかっているのです。
そして、旅に出るときの切ない感じや、
一瞬一瞬を生きてる感じを、一つずつ言葉にされます。
「弘前に初めて降り立った時、
この透明な空気感を写真に残そうと思った。」
と、ゆっくりと静かに、語ってくれました。
このお話は一体、どこに終着するんだろう? と。
話している自分もわからなかったことだけど。
最後に言葉が降ってきて。
「ああ、そうか!」と、自分が誰かに
答えを教えもらった気がしたのでした。
私ではなく弘前が、
雅子さんを歓迎していたのです。