体の中に空気が満ちる

東中野にある『ポレポレ坐』という映画館で、

アナウンサーの今泉清保さんが企画された、ドキュメンタリーとトークショーのイベントを観に行ってきた。

五ヶ月になる赤子と夫を連れて、

青森空港からどうにかこうにか無事に東中野につき、

ダイオキシンの無害化を扱っているのに、

なんでかわからんぐらいけどすごく面白いドキュメンタリー映画と

ドキュメンタリーを制作された山縣由美子さんと作家の田口ランディさん、

ドキュメンタリーの主要人物である、普通でまっつぐな人達の

トークショーをみた。

三時間におよぶイベントを終えると、

なぜか体の中に何かすごくいい空気が満ちているのを感じた。

体の中がふわふわするくらい

気持ちがいいのだ。

きっと、その場に集まった人達の、心地よい

「気」を、体の中に浴びたせいだと思う。

出産してからというもの、上京するのがえらい恐いように感じていたのだけども、

どうしてもこのイベントにはでかけたかったのだ。

そういう時は行きたい「けど」なんて表の意識を無視して、

勝手にイベントチケットと東京往復の切符までも取ってる自分がいる。

五ヶ月児連れ? 大丈夫。

根拠はないけど、大丈ー夫ー!

オラオラオラオラ! 東京までアタシを連れて行っておくんなまし!!

しかし、そんな風に思えたのは。私がこのドキュメンタリーを

二年か三年前にテレビで偶然見ていたせいだと思う。

何年か前の普通に家でだらだらしていた夕方五時くらいの番組で、

普通にボンヤリテレビを見てたら、口開けて黙ってみるほど引き込まれたのだ。

ダイオキシンの無害化なのに、見終わった後にずっと心に残るような、

すごく珍しい作品だった。

なんでテレビに入ったドキュメンタリーが、

こんなに心に残っているのか

二年経った今、確かめたくなったのだ。

そしてもう一度見る機会が訪れた。

番組の中、ダイオキシンに立ち向かう人は、

壁にぶつかりながらも理路整然と上っていく。

何度か繰り返された上空からヘリで撮影された、汚染土壌の掘り起こし現場。

「今、ダイオキシンの汚染土壌が全て、掘り返されています!」

のシーンはものすごく、心にクる。

それを決行する人の意志と、努力。

そこから先へ進もうとする、困難すらも受け入れる意志の真っ当さ。

無害化された灰を利用した煉瓦が、雨水を吸い込むとか。

ずっと「こうなればいい」と思っていた願いが

叶っていく様が本当にきれいなのだ。

ただまっつぐな人達が困りながら丁寧に、がんばって。

そんな人が番組の制作側にも、

取材を受ける役場の側にも、ちゃんといたのだ。

だから、こんなにいい番組になったんだろうな。

それを上映する人達のまっつぐさも、気持ちいいくらい空気に溶けてて、

なんだかドキュメンタリーを見ながらまた涙腺が緩んでしまった。

終わった後、うちのダンナの「ケンさん」が、アナウンサーの今泉さんに

意地悪をしている現場を発見……!

よっぽど今泉さんのことを気に入ったご様子。

ケンさんは好きな人以外とは、口をきかない人なのですよ・・・。

意地悪までするってことは、よっぽど好きなタイプだね。

つーか、ケンさん。アンタ、子どもか・・・?

「もう二度と会うことはないだろうが、あの人、性能いい。」

と、ケンさんが今泉さんのことを言っていた。だがしかし、

今泉さんはああ見えても、ケンさんより六つも年上なんだということを

言って聞かせるのに苦労した……。(決して年下なんかじゃないのだよ!)

イベントの後、ずっと好きだった田口ランディさんにお会いして、

たくさんお話しができて、本当にしあわせだった。

すごくあったかい人で、吸い込んだ空気が

胸にふくらむような気持ちに、なってしまった。

ランディさんのマネージャーさんであるみず枝さんに、

出産後、メッセージカードに「よくがんばりました」と、花マルを頂いたのだが、

みず枝さんは本当に、花マルをくれるような雰囲気の人で、

会えて本当に嬉しかった。

花マルをもらったのは、十何年かぶりだった。

マザーテレサが言ってたことで、

「私たちの行いは大河の一滴にすぎない。でも、何もしなければ、その一滴も生まれない」と

いうお言葉があるが、

このドキュメンタリーを見て満足してしまったら、

やっぱりダメなんだと思う。

もらった大河の一滴を、

まっつぐに自分の住んでる場所にも拡げて行けたら。

本当にこのイベントは、ものすごいものになって。

世界中がすごいことに

なるんだろう。

とにかく今日は、

今泉さんに。

大きな花マルをお届けしたいと思う。

今泉さんどうも、ありがとう!