無意味せんげん - 山田スイッチ –
山田スイッチは、一切意味を求めません。ちなみに7歳男子と3歳男子を田舎で子育て日記。
2013/11/10 カテゴリー: うちのバッチャ。 タグ: うちおばあちゃんバッチャ [うちのバッチャ] 27. おばあちゃんだば、冬でいい への5件のコメント
 
27. おばあちゃんだば、冬でいい
 
 雪が降るまで忘れていたのですが、冬のバッチャは夏のバッチャよりも活動的になるのです。
 冬になれば、いかに豪快なバッチャといえども多少は大人しくなるのではないかとお思いの皆さん、それは間違いというものです。
 雪が降ってからの方がバッチャの本領は発揮されるらしく、冬のバッチャは朝5時に起きて、除雪作業を行います。
「もう、いいかげんに雪かきは若い者に譲って下さいよ!」
 そう何度も頼んでいるのですが。我が家の除雪作業はバッチャ抜きにはできないのです。
何故なら、バッチャ以外は誰も、除雪機の運転ができないからです。
 そう。豪快さんのバッチャはスコップなんかでちまちま雪かきなんかしないのですよ。やるときは除雪機で豪快に雪を飛ばします。 
 しかし、バッチャももう84歳。いつまでもお年寄りに除雪を任せておくのもどうかと思い、
「おばあちゃん、除雪機の運転はケンさん(孫)に引き継がせて、もう引退して下さい!」
 そうお願いしたところ、
「ケンにはこれ(除雪機)の運転はできねえ!」
 と言うので仕方なく我が家の除雪作業は女である私が受け継ごう、と。その技を受け継ぐべく、雪の降る中、バッチャの横で作業を見守っていたところ、除雪機の運転があまりにも複雑で、できる気がしなくなってしまったのでした。
 まず、除雪機には「ギヤ」がついています。ドライブだとかニュートラルだとか。そういったギヤの操作に加えてですね、雪を飛ばす方向も操作しなきゃいけないのです。
 運転しながら前に進んだり、後に下がったりしながら、なおかつ雪を飛ばす方向を左右に変えたりしなければならないわけで。操作中は雪をかく歯が常にドルドル回っているわけでして……。その日、除雪の動作を最初から最後まで見守っていた私は、結局、最後まで扱い方がわかりませんでした。
 「若い頃は田んぼでトラクターも運転したもんだばって、もうマネく(ダメに)なってまったもんだ」
 バッチャは言います。今でさえこの元気さで、更に元気だった若い頃というのは、一体どれだけのパワーを持っていたのでしょう。バッチャは今年で84歳になったのですが、人は一体いつまでを「若い」といって、いつからを「年だ」というのか気になり聞いてみると、自分より年下は全員、「若い」と思っていることが、バッチャ達の会話からわかったのでした。
「この人、65(歳)だんだと!」
「わぁけえ(若い)の~」
 65歳はまだまだ、若い。そうなってくると、30代の私なんかまだ、産まれていないも同然ですね。今年もバッチャの、84回目の冬がやってきます。
「おばあちゃんは夏と冬、どっちが好きですか?」
バッチャが答えます。
「夏っきゃ暑くてマネ(ダメだ)! おばあちゃんだば、冬でいい。冬だば、黙って火っこさ、あたってればいいんだものなあ!」
 そんなことをいいながら、働き者のバッチャは放っておくと、屋根に登って雪下ろしを始めてしまいます。(80代でも屋根の上から手を振る余裕あり。)
 何故にバッチャはこうも身軽なのか……未だに謎なのですが、心はいつでも十代なのです。
 
 
 

青森県の最強バッチャが繰り広げる、愉快で楽しい村のお年寄り情報満載エッセイ集!   

これを読んだら即・元気!!

『うちのバッチャ』
 
山田スイッチ 著
山田スイッチ社 刊
¥1,000
 
お買い求めはこちらから!

 

 

 

 

 

5件のコメント

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.

日曜日から天気が悪くなるのかと思っていたら、午後からは回復しましたね。でも今日は、朝のうちはなんの素振りもなくて安心していたら、しっかりと雪が積もって居ました…全国ニュースに出るわけです。水曜日くらいまでに冬を浸透させていくつもりなんです。スイッチさん、お忙しい時でしょうが体調には気をつけてね!!!

うちのばーさんは今年の冬はひ孫のために
亀の甲(通称カメ)を作るんだと、
近所のジャスコでいそいそとあったかそうな生地を
買い集めています。
以前、畑の耕耘機を畑に置いたまま
自転車で軽快に出かけて行き
雨が降ってきたので耕耘機がぬれると
私が片付けたら、帰ってきたばーさんが
おめなんかに片付けられる訳がない!
と、信じてもらえなかった。

おふくさんの所のバッチャもパワフルなんですね、町に住んでいるバッチャとは違いますね…

おふくさんのマグロばあさんは
本になるね……! (^-^)p

スイッチさんちのバッチャの話を聞くと
うちも!うちも!と、すんごい親近感(ી꒰.. ऀืົཽ ௰ ऀืົཽ..꒱ʃ)
同じ田舎の昭和初期の女性だからかしら。
貧乏を乗り越えているからか、すんごいパワフルだよね。