無意味せんげん - 山田スイッチ –
山田スイッチは、一切意味を求めません。ちなみに7歳男子と3歳男子を田舎で子育て日記。
2012/01/13 カテゴリー: ブログ ぬののふく から始めよう。 はコメントを受け付けていません

夢で麺の入っていないラーメンを食べた。

汁とシナチクだけのやつ。

すごくおいしくて、それが鍛治町の「やぶきん」のラーメンだと

すぐにわかった。


スイッチかあさんは二十歳の頃、

好きな人に振られて生きるのがつらくなり、

しかし、どうにかして生きていかなければならないという

思いから、


運転免許を取ったり、二輪免許を取ったり、夜の街で働いたりして

みてました。


もう、その時は心に真っ暗な箱があるみたいに

何も感じないような状態だったので、

何かしていないとおかしくなっちゃいそうだったんですね。


それで、色々な物を紛らわそうとしているうちに

免許が取れたり、免許が取れても新しい彼氏ができないので

二輪免許が取れたり。英検2級も取れたりしたので、

あの時の人には感謝しなければならないと思います。

ずっと落ち込み続けていれば、今頃はアメリカの国務長官にでもなれたかもしれません。


その中でも、夜の街で働いたのは

本当によかったな、と思っているんです。


なにせ、この世は終わった……ぐらいに落ち込んでいた私に、

世の男性方はとても優しくしてくれましたから。

もちろんその時も私は店のキワモノキャラであったため、

私の姿を見るなり逃げ出そうとするお客様も多々ありましたが、

基本的にみんな、やさしかったのです。

大学2年生の頃か、3年生の頃でしたから、

20歳とか21歳だったと思います。


ライブハウスでバイトしていると親には嘘をついて

鍛治町(弘前の新宿歌舞伎町みたいなところ)にバイトに行くと、

まずはトイレの掃除から始めました。

カラオケスナックのトイレの床をぞうきんでゴシゴシ磨いている時に、

「ここら辺が社会の底辺なのかしら?」と思って

その頃からお世話になっていたジョニーに聞くと、

「そんなの全然、底辺じゃねえ」

と言われ、「そうか、ぜんぜんまだまだか」と思ったもんです。


トイレの掃除を終えると、

店のママが「さとこちゃん、ラーメン食べるぅ?」と聞いてくれて、

やぶきんのラーメンを出前で取ってくれました。


そのラーメンが、すっごくおいしかった。

この世の物とは思えないくらい、おいしかったです。


ママは羊の毛のようなすごいパーマで、

毎日花瓶にお花を生けていて、

売り上げが悪いと決まってバンザイをして、

「もう、お手上げ!」というギャグをかましてくれました。


オットービルの2階にある

サンクスというお店でした。


私はそこで制服になっていた、

ピンクのバラ模様の黒上下スーツを着て接客していたのですが。


自分のこともよくわかっていなかったので、

人のことはもっとわかりませんでした。


今、さすがに35年も生きて、ようやく

自分のこととか少し、わかるようになってきましたが。

恐らく、自分のことがわからないうちは

人のこともわからないのだと思います。


その頃はまるで、ドラクエで1番最初に装備していた、

「ぬののふく」とか、「おなべのふた」で社会という名のモンスターと

戦っているたみたいでした。

ママは宿屋の女将さんで。


だけど、最初はぬののふくで、よくわからないけど

生きていくのが大事なんだと思います。

ぬののふくと、ひのきのぼうと、おなべのふたを、

いつか はがねの剣に交換するのです。


今、装備は銅の鎧ぐらいつけているのでしょうか。

それともまだ、ぬののふくなのでしょうか。


やぶきんのラーメンの味を思い出すたびに、

ぬののふくで戦っていたあの頃を、なつかしく思うのです。