夏の午後、
エコハンター達は蔵のあるカフェに徒歩で集まり、エコ談義に興じます。
「暑いときはやっぱり蔵よね」と、先輩エコハンター。
「蔵ってエコですよね。クーラーなしでこれだけ涼しいんですもの」
「蔵は便利なのよ~。
十和田にある舶来の店・桜田酒店さんなんかね、
地下の蔵にワインセラーがあるから停電が来ても
ワインを冷やし続けられて、味が劣化しないのよ!」
「あそこ、涼しかったですよね。外は真夏なのに秋ぐらいの温度で。
冬はかえって外気温より暖かいんですって」
「断熱の成せる技ね」
「蔵だと夏と冬で若干の温度差があるから、
ワインを保存しつつも静かに熟成が進んで味が深まるって
店のおばちゃんが言ってました!」
「ワイン好きにはたまらないわね」
「私の生まれた年のワインもあったんですよ~。1976年もの」
「山田さん、年がばれるわよ?
桜田酒店さん、今年で百年目よね。
津軽百年食堂に対抗して、南部百年酒屋で行こうって去年、息子さんが言ってたわ」
「息子さん、トリオ★ザ★ポンチョスのメンバーなんですよね」
「酒屋でCDとギターを売ってる店なんて、あそこぐらいよね。外観も世界遺産みたいだし」
「十和田に行ったら絶対寄りたい店ですね~」
そしてエコハンター達は飲み物を口に運びました。
「山田さん、何を飲んでらっしゃるの?」
「フッフッフ…本日は、甘酒に低温殺菌牛乳を加えた、甘酒牛乳です」
「あら~、それ美味しそうね!」
「先輩…低温殺菌牛乳って、エコなんですか?」
「低温殺菌牛乳は低温で長時間殺菌するから、クオリティ・オブ・ライフを求める上ではエコね」
「ク…クオリティ…?」
「生活の質よ! 牛乳1本に30分もかけて殺菌するなんて、相当なものよ。
普通の牛乳は130度で2秒とかでしょう?沸騰しているわよ。
低温殺菌牛乳は賞味期限は短いわ、値段は高いわだけど、味わいは格別よね」
「なるほど。ク…クオリティオブライフですか…
ところで先輩、何飲んでるんですか?」
「私はなんと、有機コーヒー」
「有機ですか!」
「昔は無農薬では不可能と言われたコーヒー栽培が今や有機で! しかも、森林農法なのよ~」
「先輩…とことんエコですね…」
「エコハンターだからね」
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