無意味せんげん - 山田スイッチ –
山田スイッチは、一切意味を求めません。ちなみに7歳男子と3歳男子を田舎で子育て日記。
2007/11/01 カテゴリー: ブログ。 タグ: フォーラム原子力 原子力に関するオープンフォーラムに行ってきたよ! はコメントを受け付けていません

東北大学で開かれた第一回 原子力に関するオープンフォーラム
「高レベル放射性廃棄物」に関する 専門家と専門家の対話
に行ってきたよ!

読む前に気を付けよう!!
無断転載禁止だよ!
  

あと、フォーラムでの討論は、私なりの解釈が入っているかもしれないし、
聞き逃したところもあると思うから、
興味があったら、次のフォーラムへ出かけてみようぜ!     

原子力に関するオープンフォーラム……。


話題が高レベル放射性廃棄物の最終処分のことなので、
当日、一番悩んだのは
服装のことでした。
やっぱり原子力っぽい格好で行ってみる?
それとも、あえて真逆のファッションでGOしちゃう??

そこで、原子力の真逆ということで思い浮かんだのが、
ロマンチックとガーリー
という選択肢でした。ガーリー……。

チェックのミニスカとか、乙女の水玉とか。
しかし、私にガーリーは似合わないのでせめて、
ロマンチックに自分を演出してみましょう!
選んだのは白のウールのスカート。ピンクを主体とした
お花の刺繍入りです。
それに、発色のきれいなキミドリ色のタートルネックを合わせて。
甘くなりすぎないように綿ジャージーの黒のジャケットを上に重ねて。
大人のファッションを演出してみました。(?)

どうしても、原子力関係の集いには、沈んだ色のお洋服が集まりがち。
マジメなフォーラムだから仕方ないんだけど、
会場にはなんと、「靴底が床に落っこちている」というありえない現象(!)も
起こっていたので、靴底もファッションも自由でいいかな?
って思いました。

ぼわわ~ん
くつぞこ落ちてるよ~

そもそも。なんで私がそんなフォーラム行くか?と言われるとですね。
成り行きですね。
私、青森県在住のコラムニストだから、
原子力のPR紙から何件か仕事の依頼が来るんですよ。
だけど知らないで書く訳にもいかないので、今までお断りしてたのですね。
とりあえずは、知らなきゃ損損!っていう気持ちです。
知らないとどっちの意見にも飲み込まれちゃうしね。

これからの社会に関わりのあることだから、
きちんとした情報を手に入れようと思ってます!

よく、賛成か反対かの、どちらしかないっていう乱暴な意見も耳にするけども。
私は思いっきりニュートラル!
電気を使いながらの反対ってのもちょっと変だし。
かといってこのまま原子力?っていうのもあるので。
今のところは思いっきりニュートラルなのです!

今回は、そういった推進されてる専門の方の意見も、
反対されてる専門の方の意見も、同時に聞くことができて、
なおかつその専門家同士で譲り合いながら、討論もしちゃう!
っていう理想的なフォーラムでした。

まずは、
フォーラムの前に大切なお約束。
より、噛み合う議論を目指して行われるフォーラムでは、

事実価値別物として捉えよう!
②どういう社会を私たちが選択していくか
③一体、私たちは何を考えていけばいいのか
④趣向の一部ではなく、全体を見よう
⑤お互いの意見が全然違うとしても、その中に一つでも「一理ある」と思えるものがあったら、
 それを発見してみよう
⑥原子力とは何なのか。(反対・推進)した場合、どういう社会で生きていくことになるかという
 事実を確認しよう


というお約束がありました。
大事だね!

まずは、「既にある放射性廃棄物をどうしていくのが良いか?」
という問題です。

推進されている栃山修先生のお話では、
ガラス固化体にはプルトニウム・ウランが除かれているので
爆発の危険はないとのことです。
しかし、もとのウラン鉱石の放射線量に戻るまで、数万年かかるそうです。
なので、厚さ19センチの鉄の箱で覆って、さらに
中を粘土で埋めます。
鉄の腐食速度は、0・005mm/年以下なので、
数十万年かかってもし、地表に現れても、大丈夫なんだそうです。

しかし、最終処分場の設置(地層処分)には、
少なくても100年かかるそうです。
まずは処分地を選定して、許認可申請、その処分場の着工から約50年で
その施設が完成します。それから閉鎖すると、ざっと100年かかってしまいます。

ぼわわ~ん

しかし、地層処分のメリットは
①酸素のほとんどない地中なので腐食しにくいこと
②もしも戦争などが起こった場合も、人の手から遠く(300メートル地下)にあるため
人間がアクセスしにくいこと。

それに対して、反対されている小出裕章先生の見解は全く逆。

地層処分で埋めてしまったあと、問題があった時に
深さ何百メートルの地底から掘り出すことの困難を訴えています。
地中に埋める安全は、相対的な安全であって、
絶対的な安全ではないこと。
地層処分は百万年かかる処分だと主張されます。

そして、
最終処分場は一見、平等に見える公募ではなく、
科学的に安全性の高い場所に埋めるべきというお考えでした。

それに対する栃山先生のご意見は、
最終処分を事業として参加してもらうことを望んでいるし、
科学的に安全性の高い場所を選ぶと、選ばれた市町村に対する押しつけになるから
公募という形なのだそうです。

栃山先生
「基本的に、みんなが納得して参加してもらいたい。
六ヶ所村とは、高レベル放射性廃棄物の最終処分場を
六ヶ所村にしない、という約束があります。」

一時預かってもらっている状況なので、六ヶ所村との約束を守るためにも、
最終処分場の候補地は今、公募によって挙げられているところなのです。

小出先生は、
最終処分場の場所の安全から、以下のような疑問点を持っておられます。

活断層の安全性について十分にその安全が解明されていないこと、
高レベル放射性廃棄物の輸送の観点から、
最終処分場は海に近い場所である可能性が高いのですが、
そうなると(海の近くは、)より安全な断層を発見しにくいからです。

それに対して、栃山先生は
人間社会の不安定性を考えます。
これは、小出先生も同じです。

300年以上先の、未来の世代に対して保障ができないから、
埋めるべきなのか。地表において、監視し続けるべきなのか。
難しいところです。
今から300年前って、1707年ですから。
まさか、こんなことになってるとは
思ってない人の方が多いわけです。


両先生の同意見は、「廃棄物は最後までめんどうを見なければならない」
ということでした。
廃棄物を受け入れると、風評被害などのリスクもその受け入れ先に伴います。
小出先生の主張は、「その悪い面もきちんと、最終処分場を決める際に
市町村に説明してもらいたい」
ということでした。

ぼわわ~ん

栃山先生
「風評被害に関して望まれるのは、
社会全体が最終処分に評価的であること。
イコール、
国民全体が自分の問題として捉えることが望まれます。」


ここは私の意見ですが、
やっぱり原子力発電を作ったのは、日本の政府だから。
その決定権を握る人を選挙で選出した国民にも、責任があると
思うのです。選挙、大事っすね。

今回のフォーラムを通して、
賛成・反対の両意見を聞いて思ったことは、
意外と両者とも、意見は似ているということ。
賛成の人も、反対の人も、
「持続可能な社会のあり方」について真剣に考えてらっしゃいました。
そして、「当面は化石燃料に頼らざるを得ないだろう」との
見解も一緒でした。

ただ、原子力を今すぐやめるか、時間をかけてやめるかの違いです。
今すぐやめると、やはり、電気の供給量が減るわけですから、
そうなった場合について、
推進の栃山先生は、CO2の排出量の問題と、エネルギー戦争(石油をめぐる)が起こるなどの「社会不安」を懸念されました。

それに対して小出先生は、化石燃料のみを使った発電でも
1970年代の消費量に今の生活を合わせれば、
十分に暮らしていけるとの見解を表しました。

あとは、私たちがどのような生活を選択するかに
かかっているのではないでしょうか?
お互いに噛み合うように、譲り合うところは譲って、
原子力のいいところ・悪いところを真剣に考えた
とても良いフォーラムでした。

ぼわわ~ん

スイッチ一言メモ。
あとは、市民と専門家だけでなく
原子力の運営を決定する機関の参加も必要かな?って思いました。

オマケ
夜間の電気が安い理由がわかったよ!
電気って、貯めておけないんだって!
だから夜作った無駄な電気って、無駄なんだって。
だから安いんだってよ!!

ちゃんちゃん♪ぼわわ~ん
ひとつ賢くなりました。

☆今回のフォーラムは、☆
■■
東北大学未来科学技術共同研究センター 組織マネジメントプロジェクト
大阪大学 コミュニケーションデザイン・センター
科学研究費補助金基盤研究(A) 「科学的合理性と社会的合理性に関する
社会哲学的研究」研究グループ
■■
によって主催されました。☆☆☆