無意味せんげん - 山田スイッチ –
山田スイッチは、一切意味を求めません。ちなみに7歳男子と3歳男子を田舎で子育て日記。
2007/11/08 カテゴリー: 青森よいとこ一度はおいで。 タグ: ジュースりんご城田 城田さんのりんごジュース はコメントを受け付けていません

先日、無農薬のリンゴの未熟果実を25%使ったリンゴジュースを作っている
城田あい子さんにお会いした。

あい子さんの旦那さんの城田安幸先生は、
農学博士の奇人であり、
生物学者であり、全国どこでも目にする、畑の「目玉かかし」を発明した人である。
たけしのTVタックルにもゲスト出演した非常に変わった人なんであるが。
この人がずっと変わった人間のまま、研究に専念できるのは、
奥さんのあい子さんのおかげなんだろうなと思う。

あい子さんはもう還暦を迎える年だと聞くけども、
とても美しく、会うと何か切実なものを感じる人だ。

あい子さん
あい子さんと師匠。今年の夏、我が家の庭で。

その反対にダンナさんの城田先生は
ちょこまかと動いては、「コレが土器!!昔はね、弘前では土器が古道具やでいくらでも売ってたの!あとこれがニッポンザリガリ!!絶滅危惧種だから今、交配して増やしているところなの。
普通の人は飼えないんだよ!僕は生物学者だからね」

と。すごく子どもっぽいのだ。
すごく子どもっぽいけど、城田先生は大人で。
世の中をいい方向に持っていきたい子供の気持ちを、
学者であって、研究者である自分の研究による努力で
どうにか実現しようとしている。

城田先生が最初に「無農薬リンゴ」に取り組んだのは、
生物学者として研究していた冬虫夏草とリンゴの
ガン細胞に対するNK(ナチュラルキラー)活性を比較してからだ。

城田先生が驚くほどに、リンゴのNK活性は冬虫夏草のそれを
超えていた。

折しもその頃、地元の人たちが未熟果実を捨てているのを見て、
城田先生は考えていた。

果実が未熟なうちに摘果するのは、「選果」といって、
リンゴの一個一個に栄養を行き渡らせるために、

リンゴの実を九割程度、剪定して落としてしまうことだという。

この捨てられてしまう未熟果実を、産業としてどうにかならないか?と
考えたのが、無農薬の未熟果実2個を、減農薬の成熟果実と
混合して作った、城田さんのりんごジュースなのだ。
未熟果実にはリンゴポリフェノールが、成熟果実の数倍含まれている。

しかし、普通の畑のリンゴでは、このジュースには使えない。
リンゴが成熟する前では、農薬が検出されてしまうからだ。
それから城田先生は、周りに農薬を散布されない岩木山の山の中で
無農薬のリンゴ畑を始めたのだった。

無農薬、と聞いて私は顔を上げて聞き返してしまった。
確か無農薬でりんごを作るというのは、本当に難しかったはずだ。
「無農薬でりんごって、大変だったでしょう?」

そう漏らすと、あい子さんは言った。


「そう。でもね、農薬を与え続けているとだんだん、
樹が弱ってしまって。もっと強い農薬でないと効かなくなってくるから。
普通の人が見たら、うちのリンゴ園は病気だって言うのね。

だけど、病気になってもそこからがんばって生きていく人はいるでしょう?
そのがんばっている樹を、応援してあげるの」

そう言った城田さんの顔が、本当に人を思いやるように樹を、
思いやっているのが伝わってきて……なんだか泣けてしまった。

リンゴの未熟果実には成熟果実の五~十倍のポリフェノールが含まれていて、
無農薬の未熟果実が持つ力を発見した夫の城田先生を、
あい子さんは信じている。

大切に作られたリンゴジュースは、
飲むと自然の甘さと酸っぱさが口の中で膨らむ。
まるで、宝物みたいなリンゴジュースだった。

医果同源

※明日(2007年11月9日)の、みのもんたの「おもいっきりいいテレビ」に
城田先生が生出演されます。
本当に変わった方なので、お見逃しなきよう!

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