無意味せんげん - 山田スイッチ –
山田スイッチは、一切意味を求めません。ちなみに7歳男子と3歳男子を田舎で子育て日記。
2005/09/09 カテゴリー: 子育て 欲張り。 はコメントを受け付けていません

いとこのケーマ君はそろそろ一歳のお誕生日を迎えるのですが。

ケーマ君のすごいところは、「よくばりなところ。」

よ、よくばりって……。

ここ久しく聞いていなかった短所ですね。

よくばり。

大きいトウモロコシと小さいトウモロコシを

ケーマ君に「ハイどうぞ!」

と言ってあげると、

必ず大きいトウモロコシを手に取ります。

大きい赤ちゃんせんべいと

小さい赤ちゃんせんべいを

ケーマ君にあげると、

必ず大きい方の赤ちゃんせんべいを食べます。

こ、これは……。

姉「ケーマはよくばりだからな~!」

私「よくばり!?」

姉「この子の短所は、よくばりなところなんだよねー。」

私「いや、短所 よくばりって、履歴書に書いてあったら絶対落とされるよーーーー!!!

子どもって、正直だよね……。

一歳でもわかるんだよね、「こっちのせんべいの方が大きい」って……。

でも大人社会で最近、よくばりな人っていうのも見かけなくなりましたが、

それはそれで、正直な人の喪失であるかもしれないとは、

思いませんかね?

私の姉御級に慕ってる年上の方で、

青森放送の「お美緒さん」という方がいらっしゃるのですが。

お美緒さんが二十代だった頃、彼女はケーキを会社でもらうと、

必ず他の人達に「どのケーキがいいですかー?」

と言って、選ばせていたそうです。

そうしてケーキの数が足りないときは、

必ずといっていいほど、

「お腹いっぱいなんで……」と言って、

自分は我慢して人に勧めていたんですって。

そうしていた時にですね、

あるお年を召した保育園の先生を取材しに行ったときに、

あまりにもその保育園の先生が人を素直にさせる力を持っていたので、

ついつい、

「やっぱり色々、悩んじゃいますよね……。」

とこぼしたところ言われたそうです。

保育園の先生

「悩むっていうことは、アナタに今その問題が必要ないから悩むのよね。」

お美緒さん

「……ええっ!?」

保育園の先生

「必要がないなら、手放してしまえばいいのよ。

アナタはいつもケーキを選ぶときに、どれがいいですかー? って言って

人に選ばせるでしょう? だけどそんな風にするより、

私はコレがいい! って、先に取っちゃえばいいのよ。

同じケーキが食べたい人がいたら、ケンカすればいいんだし。

アナタが、『私コレ食べたい!!』って言えば、

そのケーキはどんなに美味しいんだろうって、

みんな期待できるでしょう?

選ばせるっていうのは、譲られた人に「悪いなあ」っていう

負担を与えることもあるの。そんな面倒なことするぐらいなら、

「私これがいい!」って、言えばいいのよ。」

そんで、その先生は続けたんだそうですよ。

「ブランコ飛びが苦手な子はね、

飛びたいときに飛んでないのよね。

いつも、地面が近付いて降りやすいところで飛ぶから、

足がついてすぐ転ぶし、

戻ってきたブランコに頭ぶつけちゃうの。

だけど飛べる子はとにかく、飛びたいときに飛ぶの。

精一杯ブランコが高く揺れたときに飛ぶから、

遠くまで飛べるのよ。」

なんだか、すごいことを言う保育園の先生は、

八戸市に住んでいらして、

お年だったため、その後すぐに亡くなってしまったそうです。

これを言われてからのお美緒さんは、

まるっきり変わった。

悩まなくなった。明るくなった。ケーキは一番に、人と争って食べるようになった。

人と争って食べるケーキは、

どんなにかうまいケーキなのだろう。

こんな風に言えたらすごい世界の中を、

生きて行けそうな気がする。

な、なのに。

現実には食べたいものも満足に言えない自分がいるッス。

O木さん「何が食べたいですか?」

スイッチ「な、なんでもいいです…!(寿司くいたい)」

O木さん「中華とかどうだろう? あそこ広かったし」

スイッチ「中華、いいですねー!(寿司食いたい)」

O木さん「じゃあ、中華に……。」

スイッチ「わーい!(寿司くいたい・・・)」

そんで、その日は中華屋さんが混雑。

寿司屋さんに移動になりました。

おすしを前に、両手万歳の我々。(ケンさん、息子、私)

私「なんでもいいって、言ったけど本当は、おすし食べたかったんだ!」

(………早く言えーーーーー!!!)

ケンさん「そういうときは、語尾にスシをつければいいんだ。」

(語尾にスシ!?)

ケンさん「何でもおいしく頂きまスシ、中華でもなんでも大好きでスシ。」

(そ、それだ………!!!!)

八戸市の保育園の先生のお話は、いつかどこかで紹介したかったこと。

2006年は、

欲張りなヤツが流行る!!!!

そんな予感のするスイッチでした。