エコハンター第22回 「発明家はかく語りき」

エコハンター第22回 「発明家はかく語りき」

 

非電化工房を主宰する発明家の藤村靖之さんが、

講演の中で印象的なことをおっしゃっていました。

「今、僕たちは産業革命以後の、エネルギーを使って経済的に豊かになる

ここ数百年の社会が終わりに近づいていることを予感しています。

次の文明への移り変わりがすでに始まっている。

一人一人がどう振る舞うかによって、

数十年先にやってくる文明がどういうものか決まってきます」と。

 

藤村さんは電気を使わない楽しい生活を提案するために、

放射冷却で庫内を冷やす非電化冷蔵庫をモンゴルに作ったり、

1日で500匹の魚を燻製にする装置をナイジェリアに作ったりしている発明家の方です。 

 

藤村さんの著書である「テクテクノロジー革命」(大月書店)を読んでいると、

意外なことがわかってきます。  

たとえば、日本ではお米の大量貯蔵に冷蔵庫が使われていますが、

これはお米を籾のまま保存せずに脱穀して保存するため、

冷蔵保存が必要になるからだといいます。

本来ならば籾のまま常温で保存すれば、1年、2年は普通に保存できるものだそうです。

 

しかし、最近はお米を玄米か白米で貯蔵するため、

その低温貯蔵に使われる日本の電気量は、

藤村さんの計算によると1年で原発の1.2基分になるといいます。  

しかも家庭でお米を炊くのに電気炊飯器を使いますので、

貯蔵する1.2基分と各家庭での炊飯器の電力消費量をたすと、

1年で200億キロワット時。

ゆうに原発4基の1年分になるとおっしゃるんですね。

なんだかすごいお話です。

小さなことが積もり積もって今の生活を支えていると考えれば、

自分の一つ一つの行動が社会を作っている…と、十分理解できるようになってきます。

 

藤村さんはお米の貯蔵にかかる電気の問題を解決するために、

手動で籾が擦れる非電化籾摺機を開発されました。

自分が消費者であるということは、

自分が経済に影響を与える一員であるとともに、

何を消費するかによって、何を、

どんな世界を応援するかが決まってくることを意味します。

お金を使うということは、その企業や産業を応援することです。

それによって、自分の求める世界が近づいてくるんですね。

 

<エコハンター第21回「来るべき食糧危機に備えて」へ>
<エコハンター第23回「エコスナック山田」へ>
 
他のエコハンターはこちら!
※※※この画像(記事は)は、陸奥新報社提供です。無断転載はできません。※※※