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[うちのバッチャ2] 04.日食フィーバー

日食フィーバー
 
金環日食の日は、皆様いかがお過ごしだったでしょうか? 子だくさんの橋本徹大阪元市長の家では、家族10人で2枚の日食グラスを、1人5秒ずつ使って順番に見たとニュースで伝えられましたが、なんとも微笑ましいニュースですよね。
わが家では5枚入りの日食グラスを購入していたのですが、前日に、私の父がふとした時に、「小学校の時にガラスにすすをつけて、日食を観た記憶がある」と言っていたのを思い出し、弘前にいる父母に2枚の日食グラスを送り、子ども達2人に日食グラスをかけさせ、大人は1枚を代わりばんこに使って観ることにしました。
生まれて初めて日食を観たわが家の3歳児がこう叫びました。
「お月さまだ! これが、お月さまになるんだよ!」
ええっ、太陽がお月さまに……? 3歳児は興奮して真っ黒な日食グラスを付けたまま走り出し、すぐに壁にぶつかってギャーッ! と泣き出しました。
「真っ黒なメガネつけて走るからだよ」
すると、それまで黙って20分ほど観測していた7歳の長男が極めて冷静に言いました。
「丸くならないねえ」
「ごめん……青森県は部分日食にしかならないんだよ」
前日のアニメで金環日食のシーンを観ていた息子は、太陽と月が重なって丸くなるのを覚えていたんですね。しかし、あれだけテレビで金環日食のシーンを観たのだから、実物はお月さまぐらいでちょうど良かったのではないでしょうか。
日食グラスを付けてウルトラマンのような見た目になった夫が言います。
「日食っていうものはよ、大体曇りさなるって昔から決まってるんだはんで、今日、初めて見るや?」
そこへバッチャが登場しました。
「あ、おばあちゃん! 今、ちょうど日食始まってますから、どうぞ!」
するとバッチャは例のウルトラマンの目によく似たグラスをババッと被って、一言。
「おんろ〜! 地球もよく、できてらもんだあ……」
「ち、地球……!」
日食を初めて観たという84歳のバッチャから、地球規模の感想が出ました!
その日の朝、興奮して朝4時頃目が覚めてしまった私は、イクラのようにオレンジ色に輝く丸い、大きな太陽が昇るのを観ました。「これから日食やるぞ!」と言わんばかりの、やる気に満ちた太陽でした。
最大食の時間を迎え、子どもは保育園に登園し、満足して家に入ると、実家に電話をかけました。
「お母さん、日食観れた?」
「観れたもなんも~! おかげさまでバッチリ! お父さんなんか、近所の人みんなにあのメガネ貸して見せてるわよ! 今も道行く人に日食見せてるわ~」
「エエ~ッ! そうなの?」
たった1枚300円の日食グラスでしたが、実家の父母に送ったおかげでそれが、何人分もの働きをしてくれたみたいで、本当に良かったです。
 

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[うちのバッチャ2] 03.春のバッチャ

春のバッチャ
 
青森県の5月は芽吹きの季節です。いつも歩く散歩コースにタンポポやオオイヌノフグリなどの可愛らしい小さな花々が咲いて、ライトグリーンの若い芽がふんわりと木の枝を覆うと、それを見たうちのバッチャは感嘆の声を上げます。
「ろー! モエ出て、ろー!(まあ、若い芽が出て、ご覧なさいよ!)」
「モエ」は若芽のことです。きっと「萌える」という言葉から来ているのでしょう。萌える5月。木の枝の先から小さな葉っぱが顔を出すと、どこのバッチャも「ろー!」「おんろー、モエ出て、ろー!」と歓声をあげるのです。
冬の間に家に閉じこもっていた近所のバッチャ達も、雪が解けてようやく「わい、あずましじゃ!(なんて心地いいのでしょう!)」と言わんばかりに畑に集まってきました。よそのバッチャ達は冬の間、めったに見かけることがありません。
それなので、春に出会うとお互いに冬眠から覚めたような気持ちになるのです。
春のバッチャは大忙しです。畑の草を抜き、堆肥を撒いて畑を耕し、大量のホッケ寿司を樽に漬けます。84歳にしてこの元気…少し分けてもらいたいぐらいです。バッチャは朝5時頃に畑に出て草を抜き、7時頃には家族にご飯を食べさせるため家に戻ります。
ひ孫を学校に送り出したら、一息入れてご飯を食べ、テレビで速水もこみち君の『MOCO'Sキッチン』を私と見ます。
「おろ〜、あったに高い所から塩振って、ろー! わい〜、油ゴサゴサと入れて! あれだば油くせくなってまうべな〜!」
「おばあちゃん、アレはサラダ油でねくて、オリーブオイルだから、そったに油くせくも、ならねえがさもしれませんよ。」
「んだべか〜?」
速水もこみち君の登場する朝は、田舎の主婦である私とバッチャを戦慄させているのです。ふいにバッチャが言いました。
「アレは一体、なんだもんだ?」
「あ~、アレは……おそらく、ハーブという草ですよ。シソみたいなもんです。」
「わい、こんだ(今度は)一体、どった貝だべ! まんず見たことねえ!」
「アレは、きっとムール貝ですよ。スペイン人が食べる貝ですよ。ムール貝売ってるスーパーなんて、この辺じゃないですけどね。シジミで代用できるのかしら?」
こんな風に、速水もこみち君の作るカフェ風のメニューは、青森県の片隅に住む我々にとっては再現不可能なお料理として捉えられているのでした。
それでも毎日一生懸命この情報番組を見るのは、もこみち君がいい男だからに違いありません。もこみち君に突っ込みを入れて、ホッと一息つけば朝の9時。畑の苗植えが待っています。
「明日はどったら料理ば作るもんだかさ」と、楽しみにしながら我々は洗濯と掃除をして、畑の草を抜き、子ども達が帰ってくる夕方に備えるのでした。

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[うちのバッチャ2] 02.サバの押し寿司

サバの押し寿司
 
しめサバの美味しい季節ですね。スーパーでしめサバを買ってきて、自宅で酢飯を作って押し寿司を作ってみたところ、「このサバの押し寿司は、皮をあぶるとよけいに美味しいのではなかろうか?」という思いが生まれました。
以前、お寿司屋さんでサーモンのお寿司を出され、突然そのサーモンを目の前でガスバーナーであぶられた経験から、しめサバもあぶってみたら相当に美味しいのではなかろうかという思いが募り、ホームセンターで念願のガスバーナーを購入するに至ったのでした。
晩ご飯時に、家族にサバをバーナーであぶるパフォーマンスを見せようと、子ども達の留守中に何度もバーナーの点火を練習して、いざ本番。テーブルの上で青い炎がバチバチと音を立ててサバの表面をあぶっていました。しめサバの押し寿司は、想像以上の美味しさでした。
「サバの脂がとろけて、あぶられて香ばしくなった表面とほんのりと甘酸っぱいサバの身が醤油と相まってもう、なんとも言えず美味しかったよ!」
あぶりしめサバの魅力を実家で力説していると、父が言いました。
「おまえ、家の中でバーナーでサバなんかあぶって、おばあちゃんは何も言わないのか?」
「うん」
母も言います。
「おばあちゃん、火を見て驚いたりしないの?」
「いやあ、バッチャは普通に見てたけど、子ども達が怖がって抱きついてきたね……」
きっとよそのバッチャは、夕飯の席で嫁がしめサバをガスバーナーであぶりだしたら、卒倒したりするのでしょう。バッチャが何も言わないのでつい、これで普通だと思っていました。
晩ご飯時に訪れる私の思いつきには、「七輪でサンマを焼きながら食べたい」というものもあり、何年か前に居間のテーブルの上に七輪を置いて、サンマを炭火であぶってたところ、もうもうと煙が室内に拡がり、煙が目にしみるばかりではなく、扇ぎ方が足りなかったせいかサンマが全然焼けないという事態に見舞われ、最終的にはサンマを七輪から下ろして、ガスで焼いて食べるという、意味のわからないことをしてしまったことがあります。
しかし、その翌日にはバッチャは私に「炭熾し器」というアイテムを与え、私の突発的な行動を助長してくれるのでした……。この嫁にして、この姑ありです。
怒ろうと思えば怒れる要素は無限にあるのですが、バッチャの中ではこの事態は、普通のこととして捉えられているのでしょう。
かつて、私が誤って居間のストーブの上にシーツを干してボヤを出してしまった時も、バッチャは燃えてるストーブとシーツを見つめながらこう語ったのでした。
「あの時はまんどろであった(明るかった)なあ~!」
それ以上のお咎めがなかったことを思いますと、しめサバをガスバーナーであぶったぐらいでは、バッチャが驚かないのは当たり前なのかもしれないです。
 

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[うちのバッチャ2] 01.うちのバッチャ近況

うちのバッチャ近況
 
わが家のジッチャが91歳を迎えた年。さすがに耳が遠くなって来て、バッチャに「おジッチャー! 聞こえてるんずなー?」と日に何度も叫ばれる日々です。
近所のヒサオさんの家でも、70歳を過ぎた頃からヒサオさんの耳が遠くなったそうで、ヒサオさんの嫁は耳の悪くなったヒサオさんにこう言うのでした。
「おジッチャ、いいか? わ(私)が喋る時は、よーく唇の動き見へ! そうすればわかるはんで!」
70歳を過ぎてから、「読唇術を覚えろ」と言うのでした。耳の聞こえなくなったおじいちゃん対策はあちこちで始まっているのです。
「なして(何故)ジッチャ、こしたに(こんなに)聞こえなくなってまったんだべ?」
「おばあちゃん、耳っていうのは、耳をよく使った人ほど悪くなるものらしいですよ。作曲家のベートーベンも若い頃から難聴で苦しんで、耳が聞こえないからスプーンをくわえてピアノにあてて、その振動を感じながら作曲したって言いますよ」
「あの人だば、そうもすべねえ!」
「あの人って……!」
バッチャはまるで近所の若者を褒めるようなそぶりで言うのでした。
バッチャ達にかかれば、あらゆる偉い人は偉そうでなくなってしまいます。例えば、第67代アメリカ合衆国国務長官のヒラリー夫人を津軽弁で表現すると、「クリントンのアッパ」になります。アッパって……。
アッパとは「嫁」のことなのですが。この辺の人は「~の嫁」という表現を非常に多く使うので、安室奈美恵は「SAMのもどの(元の)アッパ」という風に呼ばれますし、ヒラリー夫人が選挙戦でがんばっても、「あのアッパ、たげだもんだの!」と、言われるだけなのです。ちなみに「たげだもんだ」とは、「すごいもんだ 大変なもんだ」と同じような意味です。
世界情勢がどのように動いていようと、津軽ではアメリカ合衆国の大統領を見たバッチャ達が、「オバマも年いったもんだの~」と、自分たちの年齢をさしおいて「オバマ大統領も年取ったなあ」とのんきにフキの皮をむきながら、語られているのでした。
さあ、そんな辺境の地・津軽のバッチャのお話。はじまり、はじまりです!
 

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うちのバッチャ2

うちのバッチャ2 -88歳快進撃-

目次

07.肉大卒の夫
08.珍しい日
09.津軽式ギャグ
10.偉大な田んぼ
11.獅子踊り
12.ご長寿ネタ
13.ナマコ美人
14.ありそうでないこと
15.ネイティブ・ツガリアン
16.雪の一日
17.ドキドキ☆頻尿日記
18.雪の一日 その2
19.たなちゅうさん
20.宇宙的な主婦
21.バッチャとゆるキャラ
22.バッチャの本
23.男前に育てる
24.夫のつけたあだ名
25.こけしのある風景
26.梅雨の楽しみ
27.行動的なお年寄り
28.バッチャと温泉
29.メグウィンさんねぶた祭りへ!
30.うちの嫁姑問題
31.福島で本格ピッツァ
32.風邪の季節
33.風邪のチャンス
34.入院した夫
35.レディー・ガガに一言
36.気功師、現れる
37.バッチャの子ども時代
38.過去にこだわらない女
39.男は何歳から?
40.節分の楽しみ
41.七戸の本気
42.カレーの付け合わせ
43.自由な夫
44.弱くても勝てます
45.仙台の牛タン
46.元気の出ることば
47.夏の準備
48.バッチャに聞いたあの世
49.バッチャ達のブルース
50.悩みに新アイディア
51.デコお盆
52.ジッチャの虹
53.永遠のパシリ
54.ポルターガイスト
55.未来に行く方法
 
あとがき「9歳 19歳 29歳」
 
解説

 

 

 

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