Archive for 9月, 2013

[うちのバッチャ] 17. 不死身のヒグチさん

 
17. 不死身のヒグチさん
 
 バッチャはよく村の仲間達と一緒に温泉に出かけます。朝の九時から温泉に出かけて、夕方の四時頃家に帰ってきます。青森県内の温泉料金は驚くほど安いのです。なんと、大人一人三百五十円。三歳以下はタダ、三歳以上の幼児に関しては五十円と、とにかくお安いのです。
 一人千円ずつ払えば部屋を貸し切って朝から晩まで温泉でのんびりできるので、バッチャ達は畑仕事に明け暮れる十日のうち、一日くらいを温泉リゾートに費やします。そこに、子どもを連れて潜入した私は、あまりにもバッチャ達のおしゃべりがパワフルなので、腰を抜かしてしまいました。
 
 近所に温泉仲間のヒグチさんというすごくパワフルなおばあちゃんが住んでいて、ヒグチさんはしょっちゅうがんになったり治ったりしているのですが。不死身の生命力で生還すると、すぐに手踊り大会に出て、元気に踊っていたりするのです。
「私、踊りのことしか考えてないのよ。なんにも病気のこと、考えないからすぐに治っちゃうんだわ」
 と、イタコのような顔つきのヒグチさんは答えます。
 バッチャ達は年を取るにつれ、仏のような顔になっていく人とイタコのような顔になっていく人に分かれます。うちのバッチャは、どちかというとイタコ顔だと思います。
 バッチャ達の温泉会議に出席すると、「我がバッチャはまだまだ普通の方だ……」と感じてしまうほど、村のバッチャの元気の良さは半端ないのです。ヒグチさんが言いました。
 MRIで頭、検査しにいったらさ、『アンタ、頭が映ってないよ』って言われたのよ」
「へ? 頭が映ってないって?」
「そう、それで看護師さんが、『ヒグチさん。頭に何かしたんですか?』っていうから私、『出かけるはんで、頭さスプレー振ってきたの』って言ったの。したら、『ヒグチさん。病院さは、スプレー振らねんで来て下さい!』って言うのさー!」
「ス、スプレーのせいで頭、映らなかったんですか?」
「んだども(だけども)、外さ出かけるんだはんで、頭さスプレーも振らねんで、出かけるわけにもいかねえって言ったらさ、『ヒグチさん、スプレー振るのはダンナさんとのデートの時だけでいいですから!』ってよぅ」
「アッハハハハハ! ああ~、そうですね~。スプレー振るのは、デートの時だけでいいですよね~!」
 こんな感じで、朝から晩まで「最近あったおかしな話(オール実話)」を語り合うのです。
 
 MRI検査の当日に、頭にヘア・スプレーを振ってがんばってオシャレをしていくヒグチさんは、入院してもかなりの人気者のようです。行くと必ず看護士さんにこう言われます。
「アレ、ヒグチさん! アンタこんだ(あなた今度は)、どうしたの?」
 するとヒグチさんはこう答えます。
「こんだ、肺いくねくて(肺が悪くて)、来てランだ~」
すると看護師さんはすかさず、こう言ったのだそうです。
「んだのな!(そうだったんですか!)ところでヒグチさん、私、どだればち音頭の踊り方わからねくて、アンタさ習いてえと思ってらんだ。ちょうどいいはんで、教えてけれ!」
 ヒグチさんはその日、自分の入院する部屋の看護士さん全員にどだればち音頭の振り付けを教えたそうです。肺が悪くて入院しているのに、やっぱりヒグチさんは踊りのことしか考えていないのです。
「どだればち音頭」を教え、手術が終わるとまた奇跡的な復活を遂げて家に帰ってくるヒグチさん。バッチャ達の集まりは平均年齢がすでに八十歳以上なので、がんと言えば「私もやったなあ~」「私は大腸がんだった~」とのんきに答える強者ばかりいて、その強者達が温泉に入ってのんびりしている姿を見ると、こうやって生きていくのもいいもんだなあと思えてくるのです。
 
 
 

青森県の最強バッチャが繰り広げる、愉快で楽しい村のお年寄り情報満載エッセイ集!   

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エコハンター第94回「奥さま!ヒロロにはもう行かれました?」

 
エコハンター第94回「奥さま!ヒロロにはもう行かれました?
 
奥さま!ヒロロにはもう行かれました?ほら、元がジョッパルでその昔はダイエーだった所にできた新しい建物!
何かエコの匂いがする…と思って出掛けた3階のヒロロスクエアは、もはや近未来の雰囲気さえある子育て支援施設だったのです!
すごい…。先週この欄で触れた「クーラーがほどよく効いていてしかも、長居しても怒られない」ようなコミュニティースペースが実際に存在していたなんて!しかもこの子育て支援っぷりは、半端じゃないですね。 就学児童が遊べる遊び場では、青森県産材の木製玩具を作る「わらはんど」製のおもちゃや積み木がたくさん置いてありました。夢中になって積み木で巨大なタワーを作る女児の熱気が半端なかったです。
 
「こども絵本の森」では絵本を読んだり、貸し出しが受けられる上に、読み聞かせもあるのです。
「プレイルーム」には、これまで「タダでこういう施設はなかったな〜」と思えるようなボールプールがあり、赤ちゃんをボールプールで遊ばせながら保護者の皆さんが和んでいるのが伝わってきました。
本格的なおままごとができたり、ブロックもたくさんそろっていたり…。
しかも、飲食できるスペースがあるのです!
 
給湯室では離乳食を温めるための電子レンジや、ミルクを作るためのポットが常備されています。もちろん、授乳室も広くてきれい。
そしてすごいのが、男子トイレの中にもおむつ替えの台があること。
「育メン」に優しい弘前がここに誕生しましたよ!
 
5台あるベビーラックは全て無料で貸し出しされ、同スペースの中に、リンゴジュースやアイスコーヒーを飲めるカフェがあるのです。そして若者にはうれしい、公衆無線LANサービスの無料提供! お手持ちの端末でタダでインターネットに接続できますよ!
同じフロアには託児室もあり、第1、3火曜日以外は1時間500円で最大3時間まで、1歳から未就学児までを見てもらえます。
託児室にいるのは全員、保育士さんで、予約なしでその場で申し込みができるのですって。
こういうの、師匠が小さい時にあったら助かっただろうなあ〜。
エコの語源はギリシア語のオイコス(家)から来ているそうです。
家のことを考えるなら、子育ては大事なトピックだと思うのです。
 
 
 
※※※この画像(記事は)は、陸奥新報社提供です。無断転載はできません。※※※

 

 

 

 

 

 

青森の産直のリンゴが安すぎる件について。

K0050109_s.jpg6個で180円だよ!1個30円って! @尾上特産物直売所

 

田舎館村 田んぼアート2013 第2会場

田んぼアートを観に行ってきました!

わが家から車で10分の距離に、道の駅いなかだてと

田んぼアートの第2会場があります。

今年はうっかり、友人のアップしてくれた画像で満足していたのですが、

ふと、「実際に観たらどんな感じなんだろう……?」と思って

出かけてみると……

でっかい!!思ったよりずっとでっかい!!

そして広大!!

バルタン星人にピグモンもいる!! なんかめっちゃ可愛い!!

田植えした稲で表現しているというのが、風が吹いてザザーッと稲穂が揺れるとわかるのです。

これは、写真で見ただけじゃわからないアートだし、人力という迫力があります!

わあ~~~~! なんか、壮大だわ~~~~!

公開は2013年10月14日まで!(9月29日はお休み)

 

さて、田んぼアートの第2会場がある道の駅いなかだては、

やたらと流行っている産直なのですが。

その裏に弥生時代の遺跡があることを皆さん、ご存知でしょうか?

ここに来るとついでに弥生人の田植えの足跡が観られるんですよ~!

私も今回、初めて見ました!

てっきり遺跡は「喫茶 垂柳」の辺りにあるんだと思っていたから。

遺跡、道の駅の真裏なんだよね。田舎館村文化財埋蔵センターというところです!

入場料100円で入れるので、弥生時代の大地を観に、ぜひ一度訪れてみてください。

学芸員さんがやたらと親切で、すっごい好感の持てるところでした!

 

触らせてくれる弥生式土器もあって、自由度の高い展示でした!

珍しい蓋付きの土器も多数展示されていて、蓋がある辺り、縄文時代からの進化が伺えます。

あと、弥生時代には土偶がほとんど出土しないって聞いていたんだけど、

それはきっと、銅鐸の方が流行ったからじゃないかな?

あと縄目文様のある土器も弥生時代にあるのに驚きました。縄文とのはっきりとした分かれ目はそんなにないんだ! と。

お土産に古代米を買いました。

また遊びに行きたいです!

 

 

 

[うちのバッチャ] 16. スティーブ・ジョブズの孫

スティーブ・ジョブズの孫
 
 師匠とマペ次郎もようやく保育園に入りまして。バッチャの朝は、2人の保育園児の支度を手伝いながら、「さっさとご飯食べなさい! ハミガキしなさい! 服着なさい! いつまでもテレビ見てないで、サッサとしなさい!」と、叫ぶことから始まるようになりました。
「子どもが保育園に行くまでの時間が、1日のうちで1番大変ですよね……」
 私が言うと、バッチャは「いくさだ……」と答えたのでした。
 なかなか、普段の生活からは「戦」という言葉は出ないものなのですが、うちのバッチャからは出てきてしまうのですね。とくに朝の時間がない時にジッチャがうろうろし出すと戦況はより混乱してきます。刻一刻と登園時間が迫り来る中、ひ孫が顔を洗おうにもジッチャが洗面台からどかない時、バッチャは朝一番の声を出します。
「おジッチャー! 聞こえてるんずなー? さっさと、どかなかー(どきなさいよ)!」
 わが家のジッチャも今年で90歳です。さすがに耳が遠くなって来て、怒鳴られたって聞こえやしません。
 
 近所のヒサオさんの家でも、70歳を過ぎた頃からヒサオさんの耳が遠くなったそうで、ヒサオさんの奥さんは耳の悪くなったヒサオさん相手にこう言うのでした。
「おジッチャ、いいか? わ(私)が喋る時は、よーく唇の動きを見へ! そうすればわかるはんで!」
 と、70歳を過ぎてから「読唇術を覚えろ」と言うのでした……。耳の聞こえなくなったおじいちゃん対策はあちこちで始まっているのです。
「なして(何故)、こしたに(こんなに)聞こえなくなってまったんだべ? わい~、なんぼいい耳だもんだずかさ!」
「なんぼいい耳だもんだずかさ」(どれだけいい耳なんでしょう)は、津軽の人がよく使う冗談です。全然切れない包丁を津軽の人は、「なんて切れない包丁なのよ」とは言いません。「なんぼ良く切れる包丁だのよ!」と、正反対のことを言ってギャグにしてしまうのです。
「おばあちゃん、耳っていうのは、耳をよく使った人ほど悪くなるものらしいんですよ。ベートーベンも若い頃から難聴で苦しんで、耳が聞こえないからスプーンをくわえてピアノにあてて、その振動を感じながら作曲したって言いますよ」
 すると、バッチャは感心たようにこう言ったのでした。
「おんろ~、あの人だばそうもすべねえ(するだろうねえ)!」
 と、ベートーベンをまるで知り合いでも褒めるかのように感心して褒めていました。
 
 私とバッチャが青森の片隅で毎日繰り広げられる朝の保育園戦争に駆り出されていた頃、アメリカではアップルの創設者、スティーブ・ジョブズ氏がお亡くなりになりました。
 スティーブ・ジョブズ氏の名言 「Stay Hungry,Stay Foolish」(ハングリーであれ、愚かであれ)の中には、人が必死に生きるためのヒントが隠されています。
 朝のニュースでジョブズ氏の死に、ソフトバンク社の孫正義さんがテレビでコメントを求められているのを観て、バッチャが言いました。
「あれ! この人死んだのか!」
 バッチャはジョブズを知っていたのか? そう思ってびっくりすると、バッチャの指さしていたのは孫正義さんの方でした。
「いや、おばあちゃん、この人はソフトバンク社という電話会社の社長さんで、死んだのはスティーブ・ジョブズっていう外国のアップル社の社長さんです。だから……死んでないです」
 そう答えました。するとバッチャは納得したようにこう言ったのです。
「ああ~この人、その人の孫(まご)だのな!」
 と。
「エエッ、まご? 孫正義さんがスティーブ・ジョブズの、孫……?」
 ……ひょっとするとバッチャは孫正義さんの「孫」を、「まご」と読んだのかもしれません。ま……孫・正義……? 
 こんなことどうして思いついたのかわからないのですが、とりあえずバッチャはすごいなと思ったのでした。
 
 
 

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